二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

バレンタイン ~思春期ビターチェンジより~

INDEX|1ページ/1ページ|

 
『ずっとそばにいてよ!』
お互いが特別な存在であることは入れ替わったときからそうだけど……。

私は、ずっとユウタに守られていて、ずっと私のヒーローであることをあのとき、はじめて知った。

そして、事故のあった日、私は一時的に結依に戻ったげと……。
そんなことは、ユウタの存在に比べれば些末なもので、このままでいいから、とにかくユウタと一緒にいさせてと願った。

その結果、また入れ替わりの状態になってしまったけど、後悔はない。
だって、私はユウタとずっと一緒にいられる……。
その大切さを改めて痛感するできごととなった。

☆☆☆
付き合って初めてのバレンタイン。
急にユウタからメールがあった。

『今日、公園のところに集合!』
私はそれを見て、
笑顔のスタンプでユウタに返事を返した。

と、少し悩んでしまうことがある。
今日はバレンタイン。入れ替わってからずっと私には無関係だと思ってきた。和馬に渡そうと思ったことは正直あったけど……。恋する女の子の姿を見ているとずっとそれを視線で追っていた。

でも、今日は、渡してもいいよね!

そう考え、私はコンビニでラッピングされたチョコを買っていつもの公園にいく。

☆☆☆
「由依、チョコ作るの?」
それまで、興味がなかったバレンタイン。
でも、今年はお互いの気持ちが通じ合った初めてのパレンタイン。だからこそ、俺も結依にきちんと気持ちを伝えたい。
「ああ。今年はその……」
そういうと、友達たちは、
「木村君に渡すんだよね?」
そう尋ねられ、俺は顔を赤くさせる。

☆☆☆
「お待たせ!」
チョコを作ってから、いつもの公園にいったものだから、俺の息は上がったままだ。
「ちょっと遅刻!」
そうユイがいうと、

『『これ!』』

そういってお互いがチョコを差し出した。

「えっ? なんで」
ユイが不思議そうに尋ねると、

「……なんでって、今日はバレンタインだろ。俺も、その俺今は女だし。お前のことその……。」

そういうと、気持ちがいっぱいになる。

「改めて、いうけど……。俺はユイのことが好きだ!」
そうめいいっぱいにいう。

「うん。知ってる」
にこやかにユイは言う。

「私も、これ、コンビニで買ったものだけど……」
そういって、チョコを差し出される。

「うれしい!、ユイありがとな」
そういうと、ユイの手を握りしめる。

「……ねぇ。もしかしたら、このチョコって手作り?」
そう尋ねるユイに、

「……そうだよ。ほら、俺はその今は女だし……いや、男なんだけどな。こういうとき、入れ替わるといろいろと厄介だ」
頭をポリポリとかきながらいう俺に。

「ねぇ。キスしようよ」
そうユイが言う。

「な! 何言ってるんだよ!」
そういう俺に、
「ユウタは嫌?」
そういうユイに、

「いやなわけないだろう。じゃあ、その……。目つぶれよ」
そういって、ユイ(顔は俺だけど……)に唇を近づける。
胸が破裂しそうだ。

近づく唇。途中までいって思いっきりユイにキスした。

「……あったかいね」
ユイは感慨ぶかそうにいう。

「なっ! それがファストキスの感想かよ!」
俺がそういうと、

「そうだよ。もちろん、どきどきしてるけど、ユウタの気持ちを確認できて……うれしいの。変かな?」
そういうユイに、

「ばっ、ばか! 俺が真剣にその……キスしたのになんだよ。その落ち着いた反応……」
すねる俺に、

「そういとこも、かわいいよ」
そういうユイは満面の笑顔。

「か、かわいいって……俺男だけど……」
そういうと、

「かわいいよ。だって私の顔だもん!」
くすりと笑うユイに、

「お前はほんとお前だよな……。でも、これからもずっと一緒だからな」
そういうと、
「うん。ずっとだよ!」
満面な笑顔で返事してくれた。

いつからだろう。
俺の中がユイでいっぱいになったのは?

多分、入れ替わるより前に一緒と隣の席になってからかな。
そうおもうと、もう十年間か……。
いっぱい喧嘩もしたけど、やっぱり俺はユイが好きだし、これからも一番に守りたい。
「俺は、いつまでもユイのヒーローだからな!」

そういうと、ユイは満面な笑顔で、

「うん! ユウタ大好き!」
そういって俺に抱きついた。

これからもっと悩むことがあるかもしれない。
それに入れ替わりが元に戻らなければ、俺はずっと女としていきていかなければならない。

でも、それでも、
願いはいつも一つで。

「ユイ、ずっと大切にするよ!」
俺も満面な笑顔で返した。

気が付くと夜空がやさしく輝いている……まるで俺たちを応援するかのように。

Fin