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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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グレイ家の兄弟 THE MOVIE 「暴走中」

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脱出編


 フレディ一行は、一人もはぐれないように固まって、薄暗い階段を登った。登りついた先には、入る前のように壁があった。
「あ、また壁がある」
 フレディがそう漏らしたとき、ブライアンが壁の端の出っ張りの上に何かを見つけた。
「これは…石板か?」
 ロジャーが奥からみんなの中を突っ切って、石板を見にきた。
「おーい、その石板、見せてくれ」
 そこには、アルファベットが1文字ずつ刻まれた石板と、「R」の字が刻まれた石板がもう1枚あった。さらに、その横には入口と同じように手形が彫られており、その上部には口を開けて笑うドクロの絵が刻まれていた。
「この石板から、パスワードを出せってわけだ」
 ジョンがぽつりと言った。
「でも、パスワードなんて、俺たち誰も知らねえぞ。あの黒頭巾はフレディ兄さんが倒しちまったし…」
 ロジャーが少し心配そうに言った。全員が黙ってしまった。

 そのときだった。ドクロの絵を見たフレディの脳内に、ある伝説上の海賊の声が聞こえた。
「俺の名前を使え。そうすりゃおまえたちは解放される」
 その男は、壁のドクロの絵と似たような不敵な笑みを浮かべた。フレディは、おもむろにみんなの前に進み出た。
「え、おい、フレディ兄さん、答えがわかったのか?」
 ロジャーがまたも心配そうに言った。フレディは無言でうなずいた。彼は、もう1枚あった「R」の石板も使い、枠の中に「ROGER」と並べ、入ったときと同じように手形に自分の手を合わせた。すると、目の前の壁がシャッターのように上方へ開き、フレディが来た道が見えた。みんな、フレディに拍手を送った。
「よし、このまま進むぞ!」
「イエー!」
 6人は、扉をくぐった。


 通路に出ると、フレディはほかの仲間に言った。
「こっからははぐれないように、俺に続け!」
「オッケー!!」
 この6人には、もう恐れるものは何もなかった。彼らはトラップのなさそうな道を選んで進んだ。

 その途中、彼らの前に、2人のエクスキューショナーが現れた。しかしフレディは、強気な笑顔で彼らを見た。すると、ブライアンが進み出た。
「フレディ、こいつらは俺が戦う。あとで出てきたやつらを、おまえらに任せる」
 彼が両手の親指と人さし指で銃のような形を作ると、人さし指の先端にはゴルフボールぐらいの大きさの水が出現した。グレイ家の次男は二丁拳銃で撃つような仕草をして、水の弾丸を放った。2発とも標的に直撃し、彼らはドサッと音を立てて倒れた。フレディたちは、拍手喝采。しかし、ブライアンはこう発言した。
「こんなやつらに一度捕まったことが恥ずかしいな」