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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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グレイ家の兄弟 Lycanthrope

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 ― イギリス・ソルシティの一角で ―

 あのG4最大の危機から1カ月たったある日のこと。G4はそろって自宅の1階のリビングでミルクティーを飲んでいた。長男のフレディがミルクティーを一口飲むと、話しだした。
「そういや最近、ガルー関連の事件が起こってないな」
 弟たちは同じタイミングでうなずいた。
「あ〜確かに。ガルーのことで騒がなくなったよな」
 三男のロジャーが言った。
「もしかして、ガルー族ってあのクズ親子しか居なかったのかな」
「いや、んなこたないだろう」
 四男のジョンの軽い推測を、次男のブライアンがさらっと否定した。
「もしかすると、俺たちに恐れをなして種族全員別の地へ逃げたのかもな」
 ロジャーが冗談っぽく話すと、ジョンが失笑した。

 そんなゆるい会話をしていると、ロジャーのスマホに「BREAKING NEWS」を知らせる音が流れた。
「あ、ブレーキングニュースだ」
 彼がすぐにニュース画面を開くと、「ソルシティ警察署 何者かに襲撃される」という見出しが書かれていた。これを見た長男と三男は固まった。記事を読むと、ソルシティ警察署に何者かが侵入、そこの警察官全員の命が奪われ、犯人はいまだ捕まっていないというあまりにも衝撃的な事実が分かった。
(ここまで凶悪なことをしでかすのは、どう考えても普通の人間じゃない…)
 フレディの脳内には、人類を脅かすあの怪物の姿が浮かんだ。すると横からロジャーが話しかけてきた。
「警察官を簡単に倒すとか、まさかまだガルーがこの地に…?」
「だろうな。こういうことをするのは、やつらしかいない」
「このまま放っとけば、もっとまずいことになる。止めに行こう」
 ブライアンの提案で、G4は街中へ向かった。