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On s'en va ~さぁ、行こう!~ 前編

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呆れたように再度深くため息をつくと、サガに目配せする。
サガは敏感にそれを察すると、先程とはうって変わったような優しい声で、
「わかった。すぐにモナコに連れていってやろう」
「本当か?」
褒められた犬のような顔でサガの言葉に反応するミロ。
サガは「神の化身」と称された柔和な笑みを浮かべつつ、両手を上に掲げた。
そして……
「今すぐモナコまで飛んでいけ!!!」
「こ、この構えはーーーーッ!!」
半ベソのミロ。サガの小宇宙が爆発した。

「アナザーディメンションッ!!!」

「うわぁぁぁぁーーーーッ!!」
ミロの姿はあっという間に店内から消滅する。
あまりの事に凍り付く他の客。
アフロディーテは心得たもので、バーのマスターに少しまとまった金額を握らせると、
「他のお客様に迷惑をかけてしまったね。ここは迷惑料という事で、今店内にいる人たちの支払いは私達が持とう」
店内は拍手喝采。やるじゃねーか綺麗な兄ちゃん!とやんややんやだ。サガは苦笑いすると、
「ヒルトンのディナーで手を打っておいてくれ」
「シャトー・ムートンも付けて下さいね」
(注:シャトー・ムートン…フランスが誇る最高級ワイン。年代物は百万円以上の値が付く)
魅惑的にアフロディーテは笑った。