日常ワンカット
城戸邸編
夏休みに入った。
学校行事やラジオ体操、プールなどの関係があるので、星矢と瞬がそれぞれの師の元に行くのは8月に入ってからになる。
色々と耳に痛い言葉が書かれた通知表を見ながら、星矢は深くため息をつく。
「何度見てもイヤになるよなぁ、通信簿って」
「仕方ないよ。でも、ちゃんとやったところはそれなりの評価をしてもらっているのだから、あまり嫌っちゃ可哀想じゃないかな。体育は5が付いていたんだよね?」
瞬はなだめるようにそう言う。表情から察するに、かなりいい内容だったらしい。
星矢は肺を空にするようなため息をつくと、
「魔鈴さんに見られたら、蹴り100発じゃきかないな、これ」
「……そんなにひどい内容なの?」
「それなりに」
「なんて書いてあったの?」
まるでデスクイーン島に行く事が決定したかのような顔をしているので、気になって瞬は尋ねてみた。
すると、星矢は教師の口調を真似て一言。
「努力はしているようなのですが、存在感が薄いところがあります。頑張りましょう」
瞬は何も言えなかった。