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とうらぶ雑多まとめ

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指を合計23個差し出さないと出られない部屋




鶴丸国永とにっかり青江は『指を合計23個差し出さないと出られない部屋』に入ってしまいました。
80分以内に実行してください。
https://shindanmaker.com/525269




出陣先で突然何もない部屋に閉じ込められた鶴丸国永とにっかり青江。扉がひとつあるが、当然の如く鍵がかかっており、一枚の張り紙がされている。書かれていた内容はこうである。


『指ヲ23個差シ出セ。サスレバ扉開カレン。』



青江「へぇ。」
鶴丸「俺で20個として…。三つ足らない、か…仕方ないな。青江、すまんが、残りの三つは頼まれてくれるか?」
青江「……んん?」
鶴丸「ん?」
青江「えっと…鶴丸さんが20なのかい?」
鶴丸「そうだが?」
青江「…おかしくはないかい?」
鶴丸「そうか?」
青江「んー…。」
鶴丸「あー、嫌だったか…?」
青江「いや、嫌じゃないよ。手入れされれば元に戻るんだ。ここから出られるなら幾らでも差し出すさ。でも——。」
鶴丸「ん?」


青江「『痛い』には変わりないだろう?」


鶴丸「……いいのさ。俺は、な。」
青江「それって——いや、やめておくよ。分かった。鶴丸さんの言う通りにしようか。」
鶴丸「すまんな、青江にも『痛い』思いをさせる。」
青江「三つくらいどうってことはないさ。それより僕はここから出た後の大倶利伽羅の視線の方が怖いなぁ。」
鶴丸「はっはっはっ! 確かに! 鬼のような形相で睨んできそうだ!」
青江「彼、察しが良いからねぇ。」
鶴丸「なに、心配はいらない。俺がなんとかしよう。それまで意識は持ち堪えてみせるさ。」
青江「……頼むよ。」
鶴丸「あぁ。——さて、やるか。」


ふたりは己が刀を手にし、“指”に向け振り下ろした——





ガシャリ、と鍵が解除される音がした後、ギギギ…っという音と共に扉が少し開く。

青江「鶴丸さん…扉…開いたよ。立てるかい?」
鶴丸「……あ、ぁ…。」

出血量が多い鶴丸は意識を朦朧とさせながらも、脱出のために立ち上がる…が、足の指も全て斬り落としていた鶴丸はバランスを崩してしまう。

青江「おっと。」

青江が支えたことで倒れることは無かったものの、鶴丸は立っているだけで精一杯のようだ。

鶴丸「すまん…。」
青江「構わないさ。さぁ、さっさとここから出よう。」

鶴丸を肩で支えながら青江はゆっくりと出口へと歩みを進める。ただの数メートルがとても長く感じられた。そしてようやく出口にたどり着くと、脱出したという安心感からか、ふたりは膝から崩れ落ちる。

薬研「青江!! 鶴丸!!」

そこへ一緒に出陣していた薬研が慌てて駆け寄ってくる。出陣の最中に急にふたりが姿を消したため、辺りを捜索していたらしい。

薬研「血だらけじゃねぇか! いったい何が——!?おい、お前ら…指が……。」


小夜「薬研さん!」
宗三「やっと見つかりましたか。」


先程の薬研の声を聞いた小夜左文字、宗三左文字のふたりも駆けつけてきた。
そして——。

伽羅「……。」

ふたりの後ろから大倶利伽羅も姿を見せた。鶴丸の様子を確認した彼はチッと大きな舌打ちをし、鶴丸を睨みつけている。

伽羅「鶴丸…!」
青江「大倶利伽羅…事情は後で——。」
伽羅「あんたは黙ってろ!」
青江「(あぁ…やはり、とても怒っているねぇ…)」

大倶利伽羅は怒りを抑えきれない様子で鶴丸の元へ歩み寄ると、胸ぐらを掴み叫ぶ。

伽羅「あんたは、どうしてそうなんだ!!」
薬研「おい、落ち着け大倶利伽羅。」
伽羅「いつもそうだ! あんたは、すぐに——。」

鶴丸「はは…耳が…痛いなぁ……。」

先程まで目に光が宿っておらず、ぐったりしていた鶴丸が急に声を発する。

鶴丸「俺は…鶴、だぜ…? このくらい血で染まっている方がいい…。」
伽羅「だから、それをやめろと言っている!」
鶴丸「伽羅坊……。」

ゆっくりと鶴丸は大倶利伽羅の頭に手を伸ばす。

鶴丸「俺は…死なん…だから、泣くな。」

伽羅「! クソッ…、俺は泣いてない。」
鶴丸「はは…。」

弱々しく鶴丸は笑う。そして、大倶利伽羅が落ち着いたのを確認した鶴丸は静かに意識を手放した。

薬研「大倶利伽羅。」
伽羅「…分かっている。」
宗三「さっさと帰りますよ。」
小夜「にっかりさん…肩貸します。」
青江「ありがとう…すまないね。」


その後、本丸へ戻り即刻手入れ部屋へと運ばれた鶴丸国永とにっかり青江の二振りは、薬研の応急処置の甲斐もあり、翌日には何事もなかったようにいつもの日々を過ごしたという。


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作品名:とうらぶ雑多まとめ 作家名:香純草