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ニセコイAfter story 小野寺小咲

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第一話 シツレン

俺は弥柳 沙耶。
高校3年。親の都合で明日から凡矢理高校へと入学することになった

夏休みの次の日に転校。しかも、高3から、友達などできるわけがない。寂しい半年になりそうだ

そして、ここはどこだ
道を聞こうにも人気が全くない

それもそうだ
俺は、今、狭い階段を下りている最中だから

下に降りる階段がそこしかなかったんだ仕方ない
おっ、ようやくひろいところ出た

そこには、綺麗な街並みが見渡せる場所が立ちふさがっていた

綺麗だけど、行き止まりか

少しこの景色観て休憩するか
そう思い、この場所を見返すと、座る場所の代わりに泣いている女の子を発見した

「隣、座ってもいいですか?」
と聞いた

その声に気づきはっと上げたその女の子の顔はとてもかわいらしく目の周りを赤く濡らしていた

「あっ、はい」

かわいらしい声が弥柳の耳に届いた

「すみません。こんな綺麗な場所で泣いていたら、気が散りますよね」

「いいえ?」

弥柳はあまりの可愛さに動揺を隠せないでいた

「何か、あったんですか?」

『まずい。なんで俺こんなこと聞いてんだ。見ず知らずの人が事情を聴いてくるなんて怖いにもほどがある』

「失恋したんです。中学、いえ、10年前から好きだった子に」

どこか遠くを見るように女の子は言う

俺は何も言えなかったはずだった
他人の恋愛事情に介入する権利が自分にはなかった
しかし、
「相手はどんな子なんですか?」

遠くを見ていた女の子が弥柳を見た
驚いた顔をしながら

そして、微笑んでまたうつむいてしまった
「優しくて、頼りがいがあって、たまにかわいいところもあった。そこが大好きでした、勇気を振り絞って告白したら、千棘ちゃんの方が好きだって言われてしまいました。」

大粒の涙を流しながら女の子は言う
夕日が沈んで行き、空が赤く染まるのを眺めながら

「日が沈みますね」

「はい」

「でもまた、上ります。」

女の子は首を傾げて、弥柳を見る

「太陽と恋愛をかけたかったんですがうまくいきませんでした。」

「それだと、また沈んじゃいますよ?」
目をはらしながら女の子は言う

「白夜って知っていますか?太陽が一日ずっと沈まないんです。ずっと、一日中光り輝いてるんです。そんな太陽を見つけられるといいですね」

「・・・ふふふ、ありがとうございます。」
夕日のように赤く染まった瞼をまげて、笑う

「難しいですね。恥ずかしくなってきちゃいました。あ、もう夜になっちゃいますから帰りましょう」

「そうですね」
女の子は立ち上がりポンポンとおしりをはらう

俺が階段を上ろうとすると

「最後に名前聞いてもいいですか?」

「弥柳沙耶です。あなたは?」

「小野寺小咲です」

その時の俺の顔は真っ赤にそれこそ夕日のように赤く染まっていた