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■ジャキのタイムトラベル

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 ジャキは小石を投げた。
 空間の歪に石が吸い込まれる。歪が消えてしばらくして、またそこに歪が現れて先ほど投げ入れた石が帰ってくれば石は未来へと飛んだ事になるだろう。

中世時代、少年魔王ジャキは暗黒系魔法(ダークマター)の応用実験をしていた。小さいながら時空を歪ませる作用があり、この技術からタイムゲートを生み出せないかと思案していた。

「だめだ、できない…」

ジャキの仮説では擬似的なタイムゲートなら作れた。

空間に速度変化(ヘイストやスロウ)をかけるとその空間だけ時間の流れが変化する。

空間をスロウ化させると、その空間の時の流れが遅くなり、そと側の時間と比べて置き去りになる。つまり、その空間から外の世界は未来になっている。

理論上、過去に戻ることはできない技術ではあるものの、やり方次第で未来に飛ぶ事はできる。

(時を遅くしたり早回しできる魔法はあるのに、なぜ巻き戻せる魔法が存在しないのだろうか…)

ジャキにはなんとなく答えが見えていた。
今の自分を一秒前にタイムトラベルさせたとしたら、その世界にはもう一人の自分がいてその時自分と重なり合う。物理的にいえば突然衝突し合う格好になり、爆発したりして死ぬかもしれない。

時を進めるのと戻す行為は構造的に反作用関係にあるから、どちらか一方ができるなら反対もできるはず。ジャキはそう考えていた。

時を進められるのなら戻せるはず。だからと、やろうとしても全く魔法が発動する気配はない。


時を戻す行為について、たった一秒だけ戻せるとしても本能的に身体が危険だと察知しているのかもしれない。人間の身では防衛本能的に過去に行く事は不可能なのかもしれない。

ジャキは考えた。一秒前に戻るとしてその時の自分と重なり合う危険性がないこと。つまり『一秒前の自分と重なり合わない安全』が保証されているのであれば、時戻しの魔法を観測できるかもしれない。

走ったり移動したりの最中に一秒前の過去に飛ぶなら、もう一人の自分と重なり合う危険性は大きく下がり、時戻しの魔法を発動させられるかもしれない。

練習の結果、ちょっとしたテレポートの様な現象を生み出す事はできたが、そこからが難問だった。
数秒の時戻しならともかく、何年も過去へ行くとなると大量の魔力が必要になる。魔法陣から魔力の供給を得るとしても魔法陣を含めて高速に移動しながらでないと成立しない。だが魔法陣そのものを空間や地面に固着させた状態で高速移動させるにも大量の魔力が必要であり、実行は現実的ではなかった。

できれば過去に戻てやり直したいジャキだが、その方法は見当もつかなかった。

(もし過去に戻る技術があるのなら、未来から自分が戻ってきてそのやり方を教えてくれるのではないか?)

ジャキは過去へ行って姉を探すのは諦め、未来へ行く方向から姉を探せないかと考えた。
姉も自身と同じ様にタイムゲートに飲み込まれ、未来に飛ばされているかもしれない。

(姉はラヴォスの生み出した時空の歪みに飲み込まれて死んだのか、それとも自分の様に別時代に飛ばされたのか、もし生きているなら助けたい…もし死んでいるなら…)

ジャキは特大の魔法陣を描いた。
大きな魔力が継続的に必要であること。誰にも邪魔されず、物理的な干渉も受けず、視認すらされない様、術式を施した。

ジャキの発動した擬似的タイムゲートにより、ジャキの周りの時が急速に進む。
日が登り日が沈みを一秒単位で繰り返される。

ジャキはどのタイミングでゲートから出れば良いか判らなかった。

サラが近くにいるなら魔力を感知できるだろう。サラが自身を探してるなら感知して貰えるだろう。ジャキはそう思い辛抱強く待った。

何年、何十年、、景色が大きく変わっていく。
長い時の中で魔王城は朽ち果てる。人間達が来て破壊していき、森の大半は伐採され、海面は上昇しジャキの足元の陸地は殆どが海に沈んだ。

ジャキが施した魔法陣は空間に固着されて描かれている。足場が無くなったとしても問題がない。

数百年経ち、ある時から人々は何もない海辺に船の停留所を作り始めた。
ただの停留所ではなく、近隣の大陸との交易を効率的にする為の取引所の様なものだろうか。
ただそれだけでもなく、鉄の生き物が出入りを始めた。
ジャキにはその鉄の生物に見覚えがあった。

ラヴォスに飛ばされる前に出会ったクロノ達、そのメンバーの中にロボがいた。
クロノの存在はジャキにとって特別に記憶に残っていた。ジャキにとってクロノ達の風貌は不可解かつ異質な存在。どこから来たのかも判らない。疑問せずにはいられない存在だった。

人の運命、特に死期がある程度わかるジャキだった。
古代にてクロノの死期は感じとれても、サラの死期は感じ取れなかった。ジャキにとってこのことが唯一サラがとこかで生きていると信じる材料になっていた。

ジャキは過去を懐かしむでもなく、ただ未来を見据えていた。
そしてこの時に降りる。
鉄の生物の存在。単純にこの時代に何か手がかりがある気がした。
この場所がサラへと繋がらない時代だとしても、クロノへの疑問が一つでも解ければ、何らかの道が見つかるかもしれない。

ジャキは1050年、千年祭から50年後の未来へと来ていた。






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ー大まかなシナリオー

ジャキはクロノが生まれなかった世界、1050年に来ていた。ジャキが古代にてクロノ達に出会った歴史は成立しながら、未来ではクロノが存在していない状態が成立するβ世界線にジャキは関わる事になる。


〜まえがき〜

本文はプラス一万文字くらいあったのですがそのデータを無くしてしまい、殆どプロットのみの投稿になります。書く気力を無くしたのです。


ー本文ー

ジャキが到着した場所はルッカが作り出した海上工業都市である。海産物を缶詰にしたり冷凍加工して世界中に出荷するのを主産業として、都市を維持する為のインフラ製造や掃除ロボット製造、その他衣食住全般をフォローしている。

海上都市は地震や災害に対しシェルターにもなる設計で、将来的には戦争を想定して都市まるごとスーパーロボに変形して戦ったり、走って逃げる都市計画を構想している。

ジャキは缶詰め工場内部の受付ポイントから出現する。掃除ロボに興味を惹かれて弄っていると、工場長から社会見学者だと勘違いされる。

ジャキは鉄の生き物(ロボット)について工場長に問うが、知識格差が有りすぎて話が噛み合わない。工場長はロボットを作ったのがルッカだと言うと、ルッカの写真、若かりし頃を見せた。

ジール王国にてルッカの顔に見覚えのあったジャキはルッカに会わせる様に催促するが、ルッカは超有名人であり一般人が簡単に会うことはできないという。

しかし工場長はルッカの親戚であり、コネで会わせる事ができるという。だがジャキの無礼な態度を問題とし、大人の説教をして会わせなかった。

ジャキは魔法陣に隠していた鎌で脅すと、工場長は施設内のセキュリティシステムを作動させた。
作品名:■ジャキのタイムトラベル 作家名:西中