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悪魔言詞録

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111.鬼女 ダーキニー



 ふんっ、召喚されたから仕方なく仕えてやるがのう、本来なら半分人間の悪魔になんか力を貸すことがないような悪魔なんじゃ、わしゃあな。

 そもそもじゃ、わしだけでなく、幾多の悪魔を侍らせているのが気に食わないんじゃよ、おまえは。確かにわしは性愛だの交歓だのが専門分野じゃが、おまえのそれには愛などはまるでないじゃろう。ただの軟派な男でしかないわ! 全く。

 その点、本来わしが付き従っておるあの方は違うぞ。旦那さま一筋じゃし、わしら配下のものにはとても優しいしな。ただ、ちょっと怒ると手をつけられなくなったり、喜びすぎてちょっと旦那さまを踏みつけたりすることはあったがの。どちらにしてもその強さはおまえと段違いじゃ。

 それに比べておまえは、そんな小枝のような手足でよくこの受胎後の世界を生き抜いてこれたのう。おおかた仲魔どもの力にすがったり、守ってもらったりしてきたのであろう。哀れな輩じゃ。
 そうだ。いっそのこと、今ここでわしがおまえに引導を渡してやろう。おまえがどういった世界をこの場に打ち立てようとしているのかはしらんが、しょせん、力不足というものじゃ。現実を知るのは早いほうがいいでなあ。ここでわしがおまえの血肉を食らいつくしてやろうじゃあないか。己の無力さ加減をかみ締めながら骨だけとなり、寒風にその身をさらすが良いわ。

 なんじゃ。この期に及んでまだ仲魔に頼ろうというのか。そんなことをしてもおまえの率いることのできる悪魔などたかが知れておるわ。何体でも好きなだけ呼び出すが良いわ。

 ……えっ、あ、あれ、カーリーさま……。

 あの、なんでこんなところにいるんですか? 邪教の館でこの方に召喚された? その後、このお方とともに何度か悪魔どもと戦ったが、この方は相当な実力の持ち主だから気を付けろ? 無論、私は今回も召喚主の側につく?

 えっと、あの、なんというか……。

 今後ともよろしくお願いします。なにとぞ、よろしくお願いします。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔