悪魔言詞録
101.幻魔 ハヌマーン
サルという生き物は、なぜか人の間ではばかの象徴みたいな扱いを受けていますよね。
まあ、実際の話、知能指数だけでいうのならば、サルの知能指数は人間が100の場合、その半分から70程度のようです。
じゃあ、サルは人間とうまくやれないのか。ここで軽々しくYESと言えないところが、世の中の難しさじゃないでしょうか。
例えば、人間にも知的障害の方がいらっしゃいます。知能指数があまり高くない方ですね。そういった方のうち、比較的症状の重い方は、着替えや入浴、食事に手助けが必要な方も多いでしょう。そういう方はなんとか福祉の力に頼ってもらうこととして、それほど重度ではない方はいかがでしょうか。軽度に知的な障害を持っている方。こういった方々は一体どこに生息しているのでしょうか。
結論を言ってしまうと、彼ら、彼女らは普通に世の中に紛れて生きているのだそうです。ちょっとものごとの飲み込みが悪かったり、ちょっと人とのやり取りにぎこちないところがあっても、人間社会で生きていくことができるんですね。
これは、決して悪いことではないと思います。むしろ、人間社会の懐の広さを示す好例なのではないかとすら思いますよ。多少、ハンデがあってもどうにかなる。差異をものともせずに皆で生きていけるというのは素晴らしいことです。
それでです。ここで私が言いたいのは、知能指数がやや低い人々と、われわれサルの中では比較的頭が回る連中とでは、知能指数の値はそれほど変わらないということです。ということは、われわれ、サルのこともばかにしないで、一緒に仲良く生きていけるということではないかと思うのですが、いかかでしょうか?
え、もう悪魔の血が入っちゃったから分からない? そんなずるい逃げを決め込んでないで、私たちのことも認めていきましょう。多様性の時代ですよ、これからは。
これから先、人間ともサルとも悪魔とも仲良くできないと、やっていけないと思いますよ、本当に。