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悪魔言詞録

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86.外道 ファントム



 すげえ、すげえ、すげえっす!

 召喚主さん、ばりやべえっす。あっという間にやっつけちゃったじゃないですか。俺、いつの間にかすげえ人の仲魔になってたんすね。

 ほんと、まじ、やべえわぁ。

 ねえ、召喚主さん。召喚主さんはもともと人間だったんすよね。いったいどうやってそんな強さを見に付けたんすか、教えてくださいよぅ。俺も召喚主さんみたいに強くなって、魔王だとか魔神だとか、あの辺のつええ奴らどもに一目置かれたいっす。

 一目置かれてどうすんだって? そりゃあ、その強大な力を使って、悪魔界にファントムがいるということを存分に思い知らせるっすよ。偉い奴らはみんな、俺たち外道のことなんか相手にしてないっすからね。人間界では多様性なんて言葉が叫ばれているようっすけど、悪魔界ではまだまだ種族差別が激しいんすよ。

 ええ。もっとも優遇されているのは、魔神とか女神とか大天使あたりっすね。あと魔王、邪神もなかなかといった感じっす。その下に破壊神や地母神、鬼神、軍神、幻魔、龍神、神獣、霊鳥、凶鳥、威霊……あの辺の奴らが並ぶ感じっすかね。その次に聖獣や妖魔、妖精や天使といった大半の種族が並んで。俺たち外道は幽鬼と並んで最下層っすよ。おかげで、いっつも虐げられているんです。

 でも、外道の中じゃ実力はあるほうじゃないか? いやいや、腐っても外道っすからね。弱点もはっきりしてるんで、いざタイマン張ることになっても、そうそう下克上はできないようになってるんすわ。

 でも、召喚主さん。召喚主さんに戦い方を教われば、俺、上の種族の奴らといい勝負ができそうな気がするんすよね。だから、その強さのひけつを教えてくださいよ。

 え? 戦って経験を積んだんだって? ああ、やっぱり時間がかかるんすね。あと、このマガタマを飲み込んで弱点を変えている? そんな事ができるんすか、そりゃ強いわけだ。でも、そんなの俺にはできそうにないなぁ。

 うーん。下克上は夢のまた夢かあ。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔