来栖なお探偵事務所 5話 偵察
「アレが情報にあった探偵かぁ、もう一人は助手のようだが、まぁいいかぁ、さっさと終わらせようぜぇ」
「待ちなさい、まだ遺産の在処が分かりきってないんだから、不用意に動かないで」
「へいへい、わぁってるよぉ」
仮面を被り、マントを羽織る二人組の顔は分からないが、会話から言葉が荒い男と女と思われる。
(それにしても、あの助手、何処かで見たような)
仮面の女の方が助手の姿を見ていると。
「っ!隠れて!」
仮面の女の声と共に男も伏せて隠れた。
「おいおいマジかよ、あいつこの距離で気付くのか」
「あんた、殺気でも放ったの」
「さっき言われたからやってねぇよ、だが、この距離を感づけるやつかぁ、クックックッ、楽しみだなぁ」
男は画面越しにも分かるほど、嬉しそうにしている。
女はため息を吐きながら呆れた。
「今回の目標は遺産よ、他のは後にして」
「わぁってるよ」
二人は静かにその時を待っていた。
作品名:来栖なお探偵事務所 5話 偵察 作家名:サッカー