二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

来栖なお探偵事務所 9話 真実

INDEX|1ページ/1ページ|

 
十年前、任務で旅客船に潜入していた助手は、他の組織の妨害に会い、旅客船は爆破され、乗客数万人が危機的状況になったが、たった十名しか死亡者はいなかった。

これは異例すぎた。

何故、ここまで死者が出なかったのか、それは、助手のギフトで船が沈むのを遅らせ、そのおかげで脱出が間に合ったものもいた。

そして、死亡したのは、脱出の為のボートに乗らず、残った船員と医師の夫婦だった。

助手は医師たちと話をし、怪我をした人を残しては行けないと言った彼等と残ろうとしたが。

「君、もうギフトを使い過ぎて、まともに立ってるだけでもやっとだろう」
「そんな事ない!まだ、あなた達が残っている!」
「君はまだ若い、家にも娘が一人居てね、その子に君みたいな兄でも居たら、悲しませなくて済むのかな」

医師の彼はそう言って助手をボートに突き飛ばし、出すように言った。

後に、その船は沈み、残ってた船員と医師の名前が報道され、助手はその時に名前を知る事になった。





「これが真実だ、君の両親は自分が殺したようなもんなんだ」

助手の話を聞き、なおはため息をついた。

「はぁ、なーんだ、やっぱりそうだったんだね」
「え?」

なおのそのいつもの明るい声に、助手は困惑した。

「それって、助手君が殺したんじゃなくて、他の組織の人が爆弾を仕掛けたからだし、助手君は最後まで、僕の両親を助けようとしてくれたんでしょ?それなら僕が君を恨む事なんてないよ」
「それでも!なおさんがそれから辛い日々だった事に、変わりはないです」

両親が死に、親戚が居なかったなおは、一人で生きていくために生活は大変だった。

「確かに最初の生活は少し大変だったけど、でも、毎月僕の元に数十万以上お金を置いていってくれたの、助手君でしょ」
「っ?!…気付いて、いたんですか」
「それだけじゃないよ、助手君、僕と最初出会ったのは、偶然じゃないよね」

なおの言葉に助手は黙った。

「実はさ、君を助手にした本当の理由は、君の事をもっと良く知ろうと思ったからなんだよ、それに、助手君はお父さんの言ってくれた様に、お兄ちゃんみたいに、僕に色々教えてくれたし」
「そうだったんですか」

助手は少し心が軽くなり、報われた様に思えた。

助手となおが話している間、ベータとガンマは体の痺れを口の中に仕込んだ薬品で取っていた。

「今の隙に殺るぞ」

ガンマはナイフを数十本投げ、その全てが助手の全身を襲った。

「助手君!」

なおの叫びが響くが、助手の体にナイフは一つも刺さらず、ナイフは何かにはばかれた様に全て空中に停止した。

「無駄だ、今の自分には君達の攻撃は全て効かない」
「なんで、何でギフトを使っているのに目が紅くなってないのよ」

助手はギフトを使っている筈なのに、瞳は黒い瞳のままだった。

「やっぱり、まだそうゆうことは素人だな」

助手はベータとガンマに顔を向け、瞳に付けたカラーコンタクトを外した。

「こうゆう事だ」
「っ?!な、なによ、その瞳の色は…」

助手の瞳の色は深紅の色ではなく、深紅より深く、それは、なおが指輪を使った時と似た、赤黒い瞳だった。

「自分のギフトが何か言っていたな、教えてやる、自分のギフトは習得だ」
「習得だぁ?!そんなギフト聞いた事ねぇぞ」

助手の言葉にガンマもベータも訳が分からない顔をしていた。

「そりゃ知らないだろうな、このギフトはこの世にある習得出来るもの全てを対象に習得出来るギフトだ」
「なんだよそれ、チートなんてもんじゃねぇぞ」
「だから、常にギフトを使っていたのね、あの組織に居るギフト保有者や技術を習得するために」
「まぁそれが上層に漏れて、抹殺命令が下されたんだろうな」

ベータが言ったように、助手は組織に居た時、カラーコンタクトを常に付けて組織内のギフト保有者や他の技術者達の全てを習得した助手は、地上で適うものは一人もいなくなってしまった。

「いわゆる化け物って奴だよ、それに、あの組織にいる必要も、もう無かったしな、ガンマが殺そうとしてるのは知っていたから、それに乗っかって瀕死になったんだ」

ガンマとベータはもう驚きはしなかった。

「ちっ!」

ベータはギフトを使いその場から消えた。

「動かないで!動けばこの子を殺す」

ベータはなおの後ろに現れナイフを突き付けていた。

「瞬間移動のギフトか、やっぱり便利だな」

だがと、助手は笑った。

「なおさん、行けますか」
「大丈夫だよ」

なおの言葉に意味がわからず、ベータは動いた。

「何かするつもりだね、でもアタシのギフトに対応出来るわけ」

そう言った瞬間、なおは走った。

「ちっ!そんなに死にたいなら殺してやるよ!」

ベータは瞬間移動をし、なおの前に現れナイフを突いた。

だが

「え?ガッ!」

なおが、その場から消えたと思った次の瞬間、ベータの腹部に激痛が走り、床に倒れた。

「やっぱりこの指輪凄すぎるよ、未来見えてるから、その通りに動いたら勝てちゃうんだもん」

そう、ベータの瞬間移動となおの直感から未来視までに昇華されたギフトでは相性が悪すぎるのだ。

「とりあえず、この二人は警察に引き渡すか」

助手は既にガンマを捕え、二人を拘束した後に、警察に連絡した。