長き戦いの果てに…(改訂版)【9】
ローデリヒを再び抱き寄せると、安心させるようにキスをした。
「もう俺はどこにも行かない。命ある限り、ずっとお前と一緒だ」
「あなたを……信じています」
こうしてひとつの事件が終わった。だがこれは終わりでなく、新たな始まり。
これまでも、そしてこれからも、己に刻みつけられていく歴史のまたひとつの幕開けなのだろう。
愛する者を抱きながら、ルートヴィッヒはこれから訪れるであろう時の流れに想いを馳せていた。
(完)
作品名:長き戦いの果てに…(改訂版)【9】 作家名:maki