Detective
「Hi! 今日はどんなお仕事かな、探偵さん」
探偵は振り返ると、「あ~、室ち~ん」と緩い声を出した。
「また何か危険な仕事をしてないだろうね」氷室は探偵の目を探るように見据える。「危ない目に遭いそうだったら、すぐに警察のオレに言うんだぞ。悪い奴はみんなぶっ倒してやるからな」
「アメポリじゃないんだから、日本でそんなことしたら室ちんが怒られるんだかんね~」
探偵が呆れた目を向けてくる。
「そうなのかい?」と氷室が首を傾げると、探偵はいよいよ呆れたというように太い溜息を吐いた。
「室ちんて無駄に顔は良いけど、頭はあんま良くないよね。
っていうか、熱血バカなのかな」
「ハハ。顔が良いだなんて照れるな」
「褒めてね~し~」
探偵は不機嫌そうに顔をしかめる。
(こんなお子様のような言動のくせに頭は良いんだから、本当に不思議な奴だよな)
もぐもぐとあんパンを頬張る探偵の顔を眺めながら、氷室はこっそりと胸中で笑った。