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事務所に設置している固定電話の受話器を置くと、探偵は仕事道具を手に立ち上がった。
「お得意様に呼ばれた。お前も来るか？」
　要点だけを端的に伝えて、探偵は高尾の返答を待つ。
「探偵様がお望みなら」
　高尾がおどけて答えると、
「当然だ」
　と探偵は低い声で返した。
「オレは対人関係が得意ではないからな。
　お前がいないと困るのだよ」
　言うだけ言って、探偵は長い脚で颯爽と事務所を飛び出す。
「ちょ、待って待って。
　つうか、お前、普段もそんくらいデレろよｗｗｗ」
　珍しく素直に頼ってくる相棒を全力でからかいながら、高尾は仕事道具を手に、相棒の背中を追った。