二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

Detective ~a piece of cake

INDEX|1ページ/1ページ|

 
「大家からだ」
 高級そうなソファに座っている探偵の前に、一切れのケーキを置く。
 パッチリと猫目を開いた探偵が不思議そうに見上げてくるので、黛は事情を説明することにした。
「お前、今日が誕生日らしいじゃねえか。
 それで、これを渡しておくように言われた」
 大家お手製の林檎のケーキを指して伝える。
 今晩の飯は大家が腕をふるってくれるそうだ。そう言い足して、ケーキの隣に淹れたばかりの紅茶も置いた。
「そういえば、今日はオレの誕生日でしたね。
 あとで、実渕にお礼を言っておかないと」
 たった今まで自分の誕生日のことなど忘れていたようで、探偵はまるで他人事のように言う。
「黛さんも、ありがとうございます。
 紅茶いただきますね」
 そう言って、温かい紅茶に口をつけた。
「おー……。ま、誕生日おめでとさん。
 ケーキだが、ホールで貰ってるから足りなければ言えよ」
 今日くらいはサービスで給仕してやるよ。心の中でそう付け足して、黛も自分の紅茶に口をつける。
 探偵がフッと笑って、「その前に」と小さく口を開いた。
「ケーキもいいですが、まずは先ほど依頼された事件の全貌を説明しましょう。
 ああ。紅茶が冷める前に終わらせるので、ご心配なく」
「は!? あんな難解な事件、もう解けたのかよ?」
 黛は驚いて問い返す。
「ケーキを食べるより簡単な謎でしたよ?」
 赤い両目を柔らかく細めて、探偵は優雅に微笑んだ。
作品名:Detective ~a piece of cake 作家名:紘史