Detective
調査対象を見失わないようにしながら、黒子は身を隠し、バニラシェイクを啜る。
同じバーガーショップでチーズバーガーを大量に購入した相棒が、「おい」と言って、後から買い足していたフィッシュ&チップスを黒子に押し付けてきた。
「ンな、鳥が食べるみたいな量じゃ足りねえだろ。こっちも食っとけ」
「結構です。ボク、これだけで十分お腹いっぱいなんで」
「そんなこと言ってるから、お前、体力ねえんだよ」
魚だけでも食え。そう言って、相棒はきつね色に揚がった魚を黒子の口に押し付けてくる。仕方なく、黒子は口を開いて、少しだけ魚を齧った。
「……魚は好きですけど……、これよりも以前食べたイベリコ豚カツサンドパンのほうが美味しいですね」
「文句言うな。モグ。腹いっぱいになりゃ、モグモグ、なんでもいいだろ」
反論しながらも、相棒は口いっぱいにチーズバーガーを頬張っている。
見ているだけでこっちまでお腹いっぱいになりそうです、と思いながら、黒子は好物のバニラシェイクを少しだけ啜った。