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　青峰は屋根裏部屋の前まで来ると、扉を乱暴にがんがんと叩いた。
「おい、良。いるんだろ」
「は、はい！　い、います！」
　中にいる猫が、舌を縺れさせながら応える。
　良は臆病な猫で、いつも事務所のある建物の屋根裏部屋に隠れていた。
「所長が呼んでるから出てこい。お前に仕事だってよ」
「い、今吉さん来てるですか～？」
「おう。早く出てこねえと、あの化け猫に何されっか分かんねーぞ」
　青峰が脅すと、良は慌てて屋根裏部屋から飛び出てくる。
「……怖いお仕事じゃないですか？」
　震えながら尋ねる良に、青峰は「知らねーよ」と素っ気なく答えた。