Detective
「めんどくさ~」
仲のいい探偵が、気だるげな声で応える。
「そう言わずに手伝ってくれよ。お前の頭脳が必要なんだ」
氷室が重ねて頼み込んでも、探偵が意見を変える様子はない。
(こうなったら、いつもの手だな)
そう決断すると、氷室は手に持っていた鞄から大量の菓子を取り出した。
「あ~。それ新発売のやつ~」
「ああ。チョコレートも、ポテトチップスもあるぞ」
案の定食いついた探偵に、氷室は次々と新発売の菓子を手渡す。
「手伝ってくれる気になったかい?」
氷室が改めて問うと、探偵は同意するようにチェシャ猫のような笑みを見せた。