Detective ~Xmas
黒子がクリスマスパーティーの会場に着いた時には、既に昔の仲間たちが準備を進めていた。
リビングでは緑色の猫が部屋中を変わったアイテムで飾っており、キッチンでは紫色の猫が大きなケーキをデコレーションしている。紫色の猫の隣では、気品のある赤い猫が上質なソファに優雅に座っていた。
「こんばんは」
「ああ。こんばんは、黒子」
赤い猫と挨拶を交わす。
「今日はサンタの恰好なんですね」
赤い猫の服装を見て、黒子は言った。
「そういうお前もね」
と、赤い猫が黒子を見て返す。黒子は今日、黒いサンタ服を着てここに来ていた。
「はい。今日のボクは、キミの影です。
キミがいい子たちにプレゼントを配っている間に、ボクは幼馴染を困らせる黒ヒョウさんや先輩を困らせる黄色い猫さんにジャガイモをぶつけようと思います」
「ぶつける必要はないんだよ」
赤い猫の指摘を聞き流して、黒子はシュッシュッとジャガイモを掌底で飛ばす練習をする。
「オレには~?」
側で聞いていた紫色の猫が甘えた声を出した。
「お菓子をあげよう」「お菓子をあげますよ」
赤いサンタと黒いサンタ、声を揃えて紫色の猫を甘やかす。
飾り付けを終えた緑色の猫がキッチンまで来て、「甘やかすんじゃないのだよ」と盛大な溜め息をついた。
作品名:Detective ~Xmas 作家名:紘史