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どちらを永久に失うのか　託された鍵は重く
自分を保てなくなるほど狂いもできず
谷底で　ただ青ざめた顔をしている
魔の囁きは　愛した人の声だった
声が惑わすのは　愛しい人達だった
そして　守りたい人達の屍の上に自分は立っている
踏み散らかしたことを今更後悔しても遅いのに
糾弾を　嫌悪を　憎悪を恐れている
喪失を恐れている
目を瞠って見えたものは
時を止めた国へ誘う手
誰も連れていかせたくないと拒んだそれは
とても親しみのある形をしていた