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Cエンドの心情?

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俺のせいでカイネをこの世に縛り付けてしまったのかな。
カイネは幸せだったのだろうか、聞いてみたい気もするけど、彼女は既に溶け始めている。深い知識を持っていたシロも、和やかにみんなを盛り上げてくれたエミールも誰もいない。崖の村ももうない。フィーアも死んだ。仮面の王もおそらく死んだ。
カイネをよく知っている人はもう誰もいなくなった。俺のせいで、誰もいなくなってしまったのだ。そして彼女自身も。俺が刃を胸に突き立てたから。
これが本当に彼女の望みかどうかなんて、俺にはわからない。でも誰かに言ってもらいたい、彼女は幸せだったって。これで幸せになれるって。
俺は仲間を殺してヨナと二人で割りきって暮らしていけるほど図太くはない。せめてカイネを幸せにしてやることが出来たって確信しなければ、俺は、俺は。

「お兄ちゃん、どうかしたの?」
気がつけばヨナが心配気に俺を見ていた。可愛らしい女の子ではなくて、綺麗な女性へと成長していた俺の可愛い妹。ヨナのために俺はヨナ以外の全てを捨てた。ヨナと、ヨナと暮らす俺のために。俺はわがままで彼女を殺したんだ。
「泣いてるの?……泣かないで」
幼い頃よくしていたように俺に抱きついてくるヨナ。いい子いい子と背中を優しく叩き、俺の顔を肩に埋めさせた。なんて優しいヨナ。この温もりを引換えに俺は全てを殺してきた。
カイネの温もりを感じていた腕にもう、その感覚はない。
彼女を感じた唇に涙が伝う。
その温かさが、カイネの温もりと似ているような気がした。
作品名:Cエンドの心情? 作家名:ban