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友達の友達

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 なんやかんやあって、バスケの強豪校から一人ずつ選手を寄せ集めてチームを作ることになった。
 関東圏の高校でいえば、海常からは笠松さん、誠凛からは木吉さん、で秀徳からはオレ。そんな中、桐皇からは選手でなくマネージャーが選ばれた。
「桐皇学園1年生、マネージャーの桃井さつきです。
 よろしくお願いします!」
 弾けるような笑顔で挨拶した桃井は、スタイル抜群の美少女。中学時代に有名だったチームでマネージャーをしていたから外見はよく知ってるが、実際に顔を合わせて話すのはほぼ初めてだ。明るそうな性格で、自分と気が合いそうなのが好感を持てる。
「よろしくでっす!
 オレらタメだし、敬語じゃなくていいよね?」
 すぐに仲良くなれそうな気がしたので、早速距離を縮める。
「もちろんだよー」
 と桃井は明るく返してくれた。
 うん、やっぱり波長が合いそうだ。
「緑間から聞いてるぜー。桃井はただのマネージャーじゃないって。
 あの真ちゃんが手放しに誉めるなんて、相当っしょ」
「えへへ~、ありがとう。
 私もミドリンから聞いてるよぉ。高尾君は人事を尽くす男だって」
「え。嘘。真ちゃん、陰でそんなこと言ってたの? あのツンデレめ!」
 現時点での共通の話題なんてバスケと緑間真太郎しかないので、必然的に会話の糸口はそれになる。
 しかし、あまり共通の友人の話題で盛り上がるわけにもいかない。今は挨拶を済ませないと先輩らに怒られr……ん? ないな。
「あの、キャプテン? 笠松さん?」
「お、おおお。なんだ、もう、挨拶は終わったか??」
「いや、なんでそんな動揺してんすか。てか、どこ見てんすか」
 真っ先に叱ってきそうな笠松さんが、顔を赤くしてあらぬ方向を見てる。なんだ? 桃井が美少女すぎて直視できないとか? そんなバカな。
「ああ。笠松さん女子が苦手だから、私がいるとやりづらいですよね。ごめんなさい」
 桃井が苦笑して謝る。
「え? 笠松さん女子苦手なんすか? マジで?」
 オレが尊敬する先輩の意外な弱点だ。というか、緑間から話には聞いてたけど、桃井ってマジで選手のそんなとこまで調べ上げてるんだな。
「うるせえ、高尾!
 いや、だ、大丈夫だぞ桃井、さん。ただ、その、オレと話す時は、間に高尾を入れてほしい」
「いや、なんでっすか」
「い、いいだろ、同じ1年なんだから! なんかもう既に仲良さそうだし!
 先輩の言うこと聞けよ!」
 体育会系らしく後輩に命令しているが、笠松さんの指示内容は至ってかわいいものだ。
 ま、別にいっか。誰かと誰かをつなぐコネクターの役は、緑間のお陰で慣れたもんだし。
「つーわけで、これから笠松さんの通訳としてもよろしくでっす、なんてな」
 おどけて言うと、桃井も笑みを返す。
「うん。なんか余計な手間かけさせちゃってごめんね」
「いやいや、別に桃井が悪いわけじゃないし。
 普段、真ちゃんのツンデレ翻訳してるのに比べたらワケないって」
「あはは。それもそっか」
 結構辛辣なことを言って、桃井は声を上げて笑う。オレは知ってる。こういうことを言えるのは、気安い仲だからこそだ。
 きっとこんな軽口を叩きながら、桃井はあの幼馴染の面倒を見てやってるのだろう。やっぱり、この人とオレは気が合いそうだ。
作品名:友達の友達 作家名:pal