へーゼルの瞳
天井にはきらびやかなシャンデリアが下がっている。
でも昔のようなろうそくで照らしているものじゃなくて
ちゃんと電気で光っているものだ。
テーブルには豪華な料理が並べられている。
「暇・・・。」
弟はいつものようにじゃがいも野郎のところに行ったし、
アントーニョの奴はきっとフランシスとかと一緒に居るんだろう。
かといってこれ以上飲む気にもなれないし・・・。
「ロヴィ~。」
呼ばれて振り返る。
見慣れたドレスが目に映る。
「あ~、ベルか。」
「久しぶりやんね~。元気しとった?」
「久しぶりっつったって1ヶ月ぐらいだろが。」
「こないだはほとんど話も出来んかったやん。
今日は飲むのつきおうてもらうから。」
「最後関係ねーだろ・・・。」
小さくため息をつく。
相変わらず飲むのが好きな奴だ。
「まあいいけどよ。」
女性の誘いを断るわけにもいかないし。
「え~、ほんま?先に潰れんでよ。」
「うるせー。」
分かってんなら誘うな。
頭の上で明かりが不規則に点滅していた。