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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ジパング編

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村人達の団結は疲れ切っていたジャミル達に勇気を与えた。
 
「よおーし、いくぞ、皆……!!こいつと最後のバトルだっ!」
 
「了解っ!!」
 
「……矢を放てーーっ!!」
 
長老の号令で村人達の放った矢が一斉におろちの目に向けて襲い掛かる。
 
「オノレ……!ザコドモメガ!コザカシイマネヲ……、グッ……!」
 
「これ以上もう皆を悲しませないでっ!!」
 
アイシャのべギラマがおろちの体を包み込む。
 
「……ワラワハシナヌゾ!!オマエタチヲクイコロスマデ!!」
 
「そ、そんな事させないよおー!……オイラだって頑張るんだっ!」
 
……ダウドは必至でおろちの身体によじ登ると、首っ玉の一本に思い切り噛り付く。
 
「ジャミルっ!いくよっ!」
 
「おうっ!」
 
アルベルトがジャミルにフバーバを掛ける。炎に体勢の出来たジャミルは
そのままおろちが吐く炎を物ともせずおろちに突っ込んで行く。
 
「……これで本当に終わりだかんなーーっ!!」
 
「ジャミルっ!!」
 
「……勇者さま!!」
 
ジャミルの会心の一撃、おろちの本体の急所である目を完全に潰した……。
おろちの眼球からは……、凄まじい血が噴出する……。
 
……ソンナ……バカナ……、ワラワガ……ニンゲン……ゴトキ……、
グフッ……!バラモス……サマ……ウウウ……
 
 
「……バラモスの手下だったのか……」
 
肩で息をしながらジャミルが呟く。もうジャミルの状態は限界に近かった。
それでも……。
 
ワラワハシナヌ……、シナヌゾ……、グッ……!
 
……グギャアアアアーーッ!!
 
恐ろしい断末魔の叫びを残し、おろちは息絶え……、そのまま灰になった……。
灰になったおろちの残骸から光る玉と剣が出てきた。
 
「ん?なんだこれ?」
 
玉は淡く、紫色に光り輝いている……。
 
「もしかして……、これがオーブだったりするのか?」
 
ジャミルの言葉に反応するかのように玉が輝いた。
 
「やったね!1個目のオーブだよ!」
 
ダウドが喜んでバンザーイする。
 
「うん、紫色だからパープルオーブかな……」
 
「アル、だけどよう……」
 
ジャミルが村人達の方を振り返るが、長老が代表でジャミルの前に出る。
 
「勇者様、どうか持って行って下さい、わしらには必要のない物です、
それから……」
 
長老が今度はアルベルトの方を見た。
 
「この剣は草薙の剣といいまして、ジパングに伝わる伝説の秘宝なのです」
 
長老がアルベルトに剣を差し出すと草薙の剣は淡く光り、小さく反応した。
 
「いいじゃん、アル、折角だしもらっちまえよ!」
 
「この剣はあなたを呼んでいます、どうか受け取ってください」
 
アルベルトがこくりと頷いて剣を受け取ると草薙の剣は又小さく
光を発した。まるで剣の主と巡り合えたのを喜ぶかの様に。
 
「良かったね、アル!凄い武器じゃない!」
 
アイシャも嬉しそうだ。
 
「うん……、これから宜しくね……」
 
アルベルトがそっと触れると草薙の剣も返事をする様に反応する。
 
「さてと、おろちもいなくなった事だし、俺は弥生さん連れてくる!」
 
「あ、僕達も一緒に行くよ!」
 
「いや、大丈夫だ、すぐ戻ってくるからさ、待っててくれや」
 
「気を付けてね……」
 
「勇者さま……、娘をどうか宜しくお願いします……」
 
ジャミルは弥生の両親にこくっと頷くと屋敷跡に残された
ワープゾーンを通って再び洞窟に戻り弥生の元へと走った。
 
「弥生さーん!いるかーい!?迎えに来たぞー!」
 
「ジャミルさん!」
 
ジャミルの声を聞き、安全圏に隠れていた弥生が飛び出して来た。
 
「もう大丈夫だ、おろちは倒したから……」
 
「ジャミルさん……、本当ですか?」
 
弥生の声が震え……、感激と喜びで胸が熱くなる……。
 
「本当さ、だから迎えに来たんだよ、さあ村に帰ろう!おじさんと
おばさんが待ってる」
 
「はいっ!」
 
「あ……」
 
弥生がジャミルの手を握り、そっと触れる。弥生の手の温もりが
ジャミルに伝わってくる……。
 
「あっ、ご、ごめんなさい、私ったら……」
 
「い、いや、いいんだよ、独りにさせてごめんな、恐かっただろ……?」
 
「いいえ、きっと……、ジャミルさん達がおろちを倒して
迎えに来て下さると弥生は信じていましたもの……」
 
「……弥生さん……、へへ、信じてくれてありがとな!よし、行こう!」
 
「ええ!」
 
ジャミルは弥生を連れ村へと急ぐのであった……。
 
 
……
 
 
「お父さん……、お母さん……!ただいま……!皆さんの
お蔭様で弥生は……、弥生は……、こうして無事に村に
帰る事が出来ました……」
 
「……弥生……、よかった……、無事だったんだね……!ああ、
皆様!本当に有難うございます!皆様には本当に何度お礼を言っても
足りません!ううう……」
 
ジャミル達と村人達が見守る中、涙の中で親子は抱き合い、
心からの喜びの再会を果たしたのであった。
 
「よかった……、よかったわあ……、ぐすん……」
 
「うん……、よかったよぉぉぉ~っ!びいいいい~っ!ぐしゅん……」
 
アイシャも思わず涙ぐみ、ダウドも大号泣。
 
「本当に漸く終わったんだね……、大変だったけど……、
本当に良かった……」
 
(けど、僕の方に……、ダウドの鼻水が飛んできたんだけど……)
 
……ハンカチで顔を拭くアルベルト。
 
「ふうっ……、あれ……?」
 
「ジャミル、どうしたの?何だか顔色が悪いみたいだわ……」
 
「なんか頭がくらくらするんだよ……、おかしいな……」
 
「……ジャミルっ!!」
 
アイシャが大声を出す中、ジャミルはそのまま地面に倒れ意識を失った……。