ザレゴトボイル
様々な知識を得るためにはやはり多くの人間が必要だ。
でも。
だけど。
彼には狭い世界の中で自分だけの物でいてほしいとも思う。
否、いてほしいのだ。
彼の目がいつか自分以外の誰かに向くのではと、そう考えることがたまらなく恐ろしい。
だから確認するのだ。
わざと。卑怯に。
そして彼の言葉を聞いて安堵するのだ。
でも。
だけど。
ああどうしてこうなった。
どうしてくれる、僕はたまらなく弱くなってしまった。
君を手に入れたと同時に僕は僕を失った。
いっそ、殺してしまいたい。
殺してしまえば僕は僕を取り戻せるだろうか。
否。
彼が息絶えた瞬間、僕も静かに呼吸を止めるのだろう。
彼のいない世界で、もう僕は生きていくことが出来ないのだから。
依存度の高い雲雀さんの話。
君がいるから僕の世界は回ってゆける。