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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 31

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第百一章 太陽神ソル


 突如登場した、イリスがソルと呼んだ人物は、空に浮かんだままロビン達に近付いた。
「イリス、さっきアイツの事をソルって」
「口を慎むのです、ロビン! 私とは格が違う神なのですよ!?」
「よい、イリス。下界の者に余の存在を知る由もない」
「ソル……」
「余はソル。太陽神ソルである」
 ソルは名乗った。名乗られても少年か少女か分かりかねた。格調高い神には性別などないのかと思われた。
「久しいな、裏切りの戦士ロビンよ」
 ソルは感情薄くロビンに語りかけた。
「久しぶり? 裏切りの戦士? なんの事だ?」
 ロビンには、ソルに会った覚えがなく、また裏切り者扱いされる覚えもなかった。
「この姿では分からぬか。ではこれならばどうだ?」
 ソルはエナジーを発動した。すると体が発光し一枚の岩に変身した。
 岩の中心に一つの目が開いた。
「お前は、ワイズマン!?」
「……思い出してもらえたか」
 ワイズマンこと、ソルはエナジーを解除し、もとの人型に戻った。
「主は灯台の解放の阻止を、余から受けたはず。なのに全ての灯台を灯した。これを裏切りと呼ばずなんと呼ぶ?」
「それは……」
「皆まで言わずともよい。気付いてしまったのだろう? ウェイアードがガイアフォールに飲まれていることに……」
 ソルには全てがお見通しであるようだった。
「余の役割はウェイアードを照らすこと。下界であるウェイアードに手を出すことはできない。だからロビンに救世の役目を与えたのだ。結果的には裏切られる結末になったがな……」
「そこまで考えながら、今更何をしに現れたんだ? 裏切られたから仕返しにやってきたのか?」
 ソルは首を横に振る。
「余が出た理由、それは黄金の太陽現象を受け、超神などと宣うたわけ者を始末することだ」
 ソルは、アレクスを向いた。
「ウェイアードを支配せんとする者よ、このソルが主を冥界へ誘ってやろう」
「私を殺すというのですか? ふふふ、面白い私は全ての力、永遠の命を得たゴッドエクセッサー。ロビンにしてやられましたが、ダメージは回復しました。それにあなたは一度私が倒している。その力を以て再び粉微塵にして差し上げましょう!」
 アレクスは、ソルに向けてエナジーの波動を放った。
「はっはっは! どうですこの力、まだまだ出せますよ!?」
 ソルは、アレクスのエナジーを前にして一切の身動きを取らなかった。
「痴れ者が!」
 ソルはエナジーを解き放った。
「なっ、ぐはっ!」
 ソルは、エナジーを弾丸として放っていた。それは握り拳一つぶんほどでしかなかったが、アレクスを吹き飛ばすのに十分の威力を持っていた。
「冥界へ落ちよ!」
 ソルは、死に体となったアレクスをエナジーで浮遊させ地面に叩き付けた。
「何故だ……何故私が……」
「喋るな。苦しんで逝きたくなければな...…」
「私は全ての力と永遠の命を得たはず。なのにこんなはず……」
「全てに近い力、永遠に近い命だ。ロビン達がエレメンタルスターのある領域にやって来た時、余がマーズスターに細工しておいたのだ。このようなこともあろうとな」
 全てソルの思惑通り進んでいった。
「始末は付いた。余は帰るとしよう。イリス、後の事は主に任せる……」
「ふ、ふふふふ……!」
 全てが終わったと思った時に、不意に笑い声がした
「あーはっはっはっは……!」
 笑い声の主は、アレクスであった。
「アレクス、何を笑って……?」
「出でよ、ウィズダムストーン」
 アレクスは、身に取り込んでいたウィズダムストーンを顕現させた。
「創造の前に破壊あり! 我は超神、いや、一度破壊神となる。ウェイアードを更地に変えてくれる!」
 アレクスは、ウィズダムストーンに含まれた破壊の力を解き放った。
「これは……アレクスめ、狂ったか」
 ソルは、小さく驚いたように見えた。
「一体何をしたってんだよアレクスは!?」
 ジェラルドが誰にともなく訊ねた。
「ウィズダムストーンの力を解き放ったのだ。際限無く力を膨らませる。破裂しウェイアードを破壊するまでな」
「そんなっ!?」
 ロビン達は、声を揃えた。
「あーはっはっはっは! 最早私にも止められません! 全て消えてなくなるのだ! はーはっはっは……!」
 地面が揺れ始めた。更に地割れが起こる。
「はーはっはっはっは……!」
 アレクスは地割れに落ちていった。
「アレクス!」
 アレクスの最期に名を呼びかけたのはメアリィであった。
「どうするのですかあの真っ黒な光球!? ソル様!」
 イワンがソルに呼びかける。ウィズダムストーンは既に空中でアルファ山ほどの大きさとなっていた。
「あれは暴走した錬金術。世界に存在するエレメンタルを吸っていずれはさっきも言ったとおりウェイアードを破壊するほどに大きくなる……」
「ソル様のお力でもどうにもならないのですか!?」
「余は下界に関与できぬ。ウェイアードを照らすだけの存在。それ以上は踏み込めぬ……」
「そんな」
「イリスよ耳を貸せ」
 ソルはイリスの耳に囁いた。
「ソ・ラルカンシエル」
「それは!」
「それでは余は行くとしよう」
 ソルは『テレポート』のような能力で、この場を去っていった。