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上っ面ビューティフルワールド

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人は美しいものが好きだというが雲雀はそれを冷笑する。

彼にとって真に美しいものは自然の法則や公式だ。実際雲雀はそれら以外のものに美を感じたことは稀で、美を感じても好むことは更に少なかった。だからこそ最初、赤ん坊に会ったときは驚いたのだ。トンファーを弾かれた瞬間散った火花は美しかった。結果的に赤ん坊も美しいというより可愛いであり、可愛いというより強い生き物であったのだが。

そう、群れならいざ知らず、雲雀は「美しい」という価値だけでを自分の興味を向けることはしない。


だからこそ、そんな己だからこそ、と、雲雀は嘆息する。
ぼさぼさの髪、骨張った体、貧相な顔。
美しさとは無縁のあれに、惹かれた、自分を雲雀は嘆息する。

だって、本当にどうしようもない。
彼と二人、真夜中のベッドになだれ込む光景は美しくはないけれど、
まさに今、それに最大の関心が向けられている午前零時。