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ティラン王アザーラ 初稿

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◎ラヴォス◎接続◎類人
「ラヴォスにテレパシーで干渉してはいけない。繋げれば私も思考を破壊され論理的でなくなるだろう。」

この問題について深く説明するには私の未来視の力も説明しなければならない。私の未来視は未来の誰かの意識へ接続することでその者の得ている視覚や嗅覚、記憶、思考等の感覚を受信できる力。つまり未来の私へと接続すれば未来の私が知っている事を知れる。

未来の私は壊れていた。思考は穏やかでなく支離滅裂でありラヴォスの飛来からも逃げず民もろともを巻き込んで心中すらしていた。テレポートもテレパシーも使えるのに死ぬ事を選んでいる。
なぜ未来の私は上手にラヴォスに抗えなかったのか。調べていくと赤く輝く星を見つけた前後に原因がありそうだった。

未来の私も今の私も星を探索するのが好きだった。夜空を見上げて星を見つけたとき、その方角に向けて接続するとその星に生きている人々の生活や文化を楽しめる事がある。それは私の趣味であるが、未来の私は赤く輝く星(ラヴォス)へと繋げてから急激に思考が壊れていったのだろう。そう思い、私はラヴォスへの接続を諦めた。その決断以降からだろう。私が壊れる未来は見えなくなった。

◎猿人の未来は興味深い。

遥か未来には時を飛べる技術(タイムトラベル)があるのだが、猿人は過去の世界に未来の技術を持ち込み、文明の進歩速度を加速するような事をする。
そのやり方は極端で例えばラヴォスが生み出した赤い石が資源になるらしく、それを採掘する為に機械が地殻に大きな穴を空けたりするのだが、海や大地の形を大きく変化させている。 そのせいで歴史が変わり、元々あった国が消えたり、あるいは新たに増えたりもした。
例えば栄華を誇っていたアメリカという国や、あるいは100以上の様々な言語があったはずの国々がそもそも生まれない状態になったりする。最終的には全ての言語も国も一つに統合されたような世界(ガルディア)が作られた。
猿人が作り出す歴史の変化を観ているととても興味深くある。

◎私の能力「テレパシー」について

テレパシーは言語の壁を変えてコミュニケーションができる技であるが、未来人にそういった力を扱える者が全くいないのが不思議であった。私の時代でもテレパシー力には種族によって差があったとはいえ、全ての種族が少なからずの受信能力は備えていた。あの猿人種であってもテレパシーは受信できた。
なぜなのだろう。
テレパシーがあるからこそ、多くの種族を束ねることに成功する。国を大きくできる者にはテレパシーが扱えることが必須条件になるはずだが、未来にて大きな国を持つ者達に、その力がなかった。未来人は能力(テレパシー)が退化しているのだろうか…

◎絶滅◎親◎胎児

ラヴォスの衝突後、半年もしない内に恐竜人の7割が絶滅する。多くは私と同じく爬虫類系の恐竜人種。皆、変温動物であり、気温の変化に対して鈍感であり、寒さで動けなくなって死んでいく
身体が寒さに慣れる事すら追いつかないの程の危険な寒さ。 あまりの異常な速度で世界が凍りついていく。大量の木々を燃やして暖をとっても耐えられない。
やはりラヴォスがもたらしている影響なのか…。




私にできる事は何もないだろう。地下深くへと避難して雪の寒さを免れるにせよ食糧問題が解決できない。海のほとんどが凍りつく。空を飛ぶ生物もいなくなる。寒さに強い種続に狩りを任せるにしても、その数は足らずで圧倒的な食糧不足。やはり、未来を諦めるしかないのだろうか…

親はどうして私を生んだのだろう? こうなる未来をはじめから判っていたはずなのに…。

私の種族は他とは異なる。
強い者が生まれるとき、弱い者から順に力を失っていく。
私が生まれるときなんて、一族全てがその力を失ってしまった。そのせいか私は無限の未来を観ることのできる奇跡のような力を得た訳だが、それでも尚、ラヴォスの飛来から始まる氷河期に対して絶滅を免れる方法が見つからない。
唯一の方法は魔力が宿る猿人に頼ることだが、感情的な面でも外交的な面でも困難が付きまとうだろう。
食糧が圧倒的に不足するこの世界において上手くは立ち回っても、恐竜人の1%しか生き残れない。類人に多くを譲歩、弾圧されたりを受け入れて3%が生き残れる程度。
先人達がもっと類人に対して寛容な扱い方をしていたならば、その数値をもっと大きくできたかもしれないが…
とはいえ先人が類人に寛容な世界を作っていたとしてもネガティブである状況ら変わらないと思う。。

どうせなら生んでくれなければ良かった。
絶滅する未来は判りきっていたはずなのに…

弱音を吐くことはできない。

私が力を得たことで無能になってしまった親達にはもう未来視の力はないのだから。

彼らは私が絶滅を回避してくれる未来を見えていて未来を作れることを信じている。嘘でもそのことで彼らを騙し続けなければ皆がパニックになるだけ。より悪い未来がやってくるだけだ。

せめて6か月の猶予があったなら良かった。ラヴォスの飛来から半年もすれば猿人種の胎児に魔力が宿る現象が来る。その胎児がテレパシーや熱を操って母体を助ける後、その後、次々と氷河期の問題を解決してくれる。そんな未来についてが、もう少し早く訪れてくれたなら…もっと多くの恐竜人を未来へ残せただろうに…
特別な力が持っていても私は無能だ…。
作品名:ティラン王アザーラ 初稿 作家名:西中