二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

キスを5つ

INDEX|3ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

「いただきます」



「ホットケーキミックス……便利なものがあるんだな」
「アーサーさんのところにも、あると思いますよ?」
「そうなのか?」
「そうなのか、って自分の国でしょうに。いつだったかの買い物のときに、私は見かけましたが」
「ふうん。……じゃぁさ、今度家に来て作れよ」
「……嫁に来いと言われた気がしますが、気のせいですよね」

 菊の隣に立って、しゃかしゃかとホイップクリームを泡立てていた、アーサーの手が止まる。白い泡を指先につけて味見をした。うん、と満足そうにうなづいて、さっきより多めにクリームをすくった。
 目の前に白い泡を差し出されて、菊はあむ、と口に含む。瞬間、アーサーがにやりと笑うのに、嫌な予感がしたけれど、対処はできずに、結果唇を奪われた。否、ホイップクリームを奪われた、と言うほうが正しい。

「ふぁ……んっ――あ、あなたさっき自分で味見してたでしょう!」
「一度で二度美味しい。だろ? ごちそうさま」
「それはいただきますの後の挨拶です。まったくあなたって人は」









EMD.
作品名:キスを5つ 作家名:ゆなこ