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【腐】貴方を、僕にください【DRRR!!】

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いつものように池袋を歩く。
本当の目的はただ一人、折原臨也に会う為なのだが。
最近、噂を耳にした。
『折原臨也と平和島静雄が時々一緒に歩いているようだ』と。
あの犬猿の仲の二人が、だ。
そんな話を聞いてからだった。
胸の中で訳の分からないもやもやが取れなくなったのは。
何時しか、次に折原臨也を見つけたら自分の物にしてやろうと思うようになった。
何故かって?
そんなのは自分に分かる訳がない。
こんな感情、初めてだから。
「臨也さん、何処にいるんだろう」
当てもなく彷徨う。
ふらふらと歩いてみるが意外と見つからない。
今日は居ないのだろうか。
歩いているうちに閑散とした場所に出てしまった。
廃墟ばかりで、池袋とは到底思えないような場所。
辺りを見渡しても人なんて殆ど居ない。
「池袋にもこんなところがあるんだ」
廃ビルに背を預け、凭れかかる。
結構歩いた。
東京は歩きと電車が主な交通手段だ。
未だに慣れない。
仕方ない、今日はもう帰ろう。
そう思った時だった。
誰も居ないはずの廃ビルから微かに聞こえる声。
しかも一人ではない。
会話がぼそぼそと聞こえる。
最初は興味本位だった。
ちらりと扉の隙間から中の様子を伺った。
―――――薬の密売とかヤクザの集まりだったらどうしよう。
なんて苦笑を浮かべながら。
ま、そんな漫画みたいなことないだろうけど。
神経を集中させてみると、段々と普通に会話が聞こえてきた。
「―――――ズちゃん、駄目だってば」
何かを制止するような言葉。
少し声は高かったが、明らかに男の声だ。
しかし、どこかで聞いたような…。
「うるせぇ、少し黙ってろ」
今度は違う声質。
さっきよりは全然低く、とても男らしい声。
あれ?
この声も聞いた事が。
嫌な予感しかしなかった。
ぐぐ、と向こう側に見えない程度に身を乗り出す。
薄暗い廃ビルに見える、二人の男の影。
その光景に目を疑った。
噂は本当だった。
あの喧嘩人形の平和島静雄と情報屋の折原臨也が一緒に居る。
そして、
「そろそろ仕事…でしょ、シズちゃん…っぁ、駄目だって、ば…っ!」
「もう少しいいだろ」
正真正銘、『目を疑った』。
信じられなかった。
静雄が臨也の服の中に手を突っ込み、頬にキスをし、押し倒しているなんて。
(これ、どういうこと?)
一緒に歩いているとか、一緒に居るくらいだったら別に良かった。
なのにまさか。
まるで恋人同士のようだなんて。
普段は自動販売機を投げつけられたりしているはずなのに。
こんなことって。
呆然としていると、突然何処からか携帯の着信音が鳴り響いた。
ビルの中から聞こえる。
静雄がポケットから携帯を取り出し、耳へ当てている。
どうやら電話のようだ。
「すんません、すぐ行きます。…はい、わかりました」
少し残念そうな静雄の横顔が見える。
「仕事でしょ、シズちゃん」
「おう」
「全く、どうせすっぽかしてきたんでしょ。早く行きなって。トムさん待ってるよ」
「臨也ぁ」
「はいはい。今日飲みいくんだっけ?大丈夫、ちゃーんと待っててあげるからさ」
「必ず行く」
「待ってる。来る時連絡寄越してね」
「おぅ」
完璧なる惚気話だ。
何故だろう。
こんなに苛々するなんて。
いつものもやもやがどす黒い苛々に変わる瞬間だった。
ああ、きっと僕は臨也さんの事が―――――。
だから、静雄さんに嫉妬しているんだ。
握る拳に、更に力が篭る。
血が出そうになるくらいに。
キスを交わす二人。
見ているだけで苛々する。
ごそ、とバックの中から取り出したのは、臨也を拘束する為だけに買ったロープ。
まさか本当にこれを使う時が来るなんて。
心の中で笑った。
こんな事なら、さっさと捕らえてしまえばよかったんだ。
「可愛がってあげますから。臨也さん」
ぽつりと呟くと、廃ビルの中でいつの間にか一人きりになった臨也の元へと足を進めた。


『あれ、臨也さん。
 ―――――こんなところで、偶然ですね』


にこりと笑みを浮かべて彼の目の前にロープを突き出した。
そして、もう一言。


『突然で申し訳ないのですが、

       僕のモノになりませんか?』

帝人の笑みは、臨也を行動不能にするくらいの恐怖を纏わせていた。