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【リリなの】Nameless Ghost

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「それと、これはオフレコで。上層部からの通達よ。『君たちにXYZのカクテルを与える』とのこと。以上、行動開始」

 XYZ、つまりこれより後はないということかとクロノは上層部の薄暗いユーモアに拳を握りしめ、リンディの行動開始の合図とともに敬礼を送り、エイミィを伴いながらミーティングルームを後にした。

 人の去ったミーティングルーム。
 照明が暗く落とされ、そこには安息をもたらす青白い光のみが満たされる。しかし、それは同時に憂いの青を連想させるように感じられ、リンディは張り詰めていた感情を弛緩させクッションの効いた上座の座席に深く背中を預けた。

 しなければならないことは数多くある。決断しなければならないことも、覚悟しなければならないこともたくさん。
 だが、今のリンディは感情の裏にこもる陰鬱を払拭したい気分にとらわれた。

「……景気づけにレティとセブン・セブンでも飲みに行こうかしらね……」

 これが最後のチャンスになるかもしれない。
 リンディはそう思い、個人端末から通信システムを呼び起こし、未だ仕事中であろう同僚の友人に連絡を入れた。