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【リリなの】Nameless Ghost

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 ユーノはなのはをゆっくりと床に下ろし、なのははユーノの手を取って立ち上がった。

「じゃあ、アリシア。僕はフェイトの援護に回るよ。なのはをお願い」

 ユーノはそう言ってなのはとアリシアに視線を配り、そして未だ続く戦場を見上げた。

「ああ、よろしく頼むよユーノ。今、リミエッタ主席管制官を筆頭にアースラチームがこの結界の分析を進めているはずだ。この結界が解除するまで持てばいい。敵の捕縛は二の次。今は無事に帰還することを最優先にね」

「うん、分かってる。そのために僕達が来たんだからね」

 ユーノはニッコリと笑い返し「それじゃあ」といって翠の魔力光をたなびかせ空へと舞い戻った。

「あの子の飛行は綺麗だね」

 アリシアは飛び去るユーノの姿を目を細めて眺めそう漏らした。

「うん、ユーノ君の魔法は綺麗だよ。私も、あんな風に魔法が使えればなぁ」

《In OK, Master. Your flight is beautiful too. I let's guarantee》(大丈夫ですよ、マスター。マスターの飛行も美しい。私が保証しましょう)

 ザザッというノイズ混じりにレイジングハートは主を励ますように声を発する。

「うん、ありがとうレイジングハート」

 ボロボロになったフレームを撫で付け、なのははレイジングハートに礼を言う。

《You are welcome》(どういたしまして)

 まるで親友か姉妹のように言葉を交わす二人にアリシアはニヤッと笑みを浮かべた。

「それにしてもレイジングハート。しばらく見ないうちに随分綺麗になったね。ちょっと欠けた感じとかヒビの入り具合とかなかなかオシャレじゃないか」

《Did it put an aesthetic sense out of, kilter while not meeting for a while? Little Alicia. However, it will fail from the ends such as your sense of beauty.》(しばらく会わないうちに美的センスを狂わせましたか? アリシア嬢。もっとも、あなたの美意識など端から破綻しているでしょうがね)

「へえ、ガラクタが美意識なんて言葉を覚えるなんて驚きだね。この調子ならゴミ捨て場のスクラップでも芸術家になれそうな気がするよ」

《The zombie which was decayed, saying well. You who are as simple as not dying even if it dies makes a sense of beauty, intellect and so on a mouth. When and it combines that will have become as careless as it with the art.》(よく言いましたね腐れゾンビ。死んでも死なないほど単純な作りのあなたが美意識、知性云々を口にするとは。いつから芸術とはそれほどまでに軽々しいものとなったのでしょうかね)

「………」

《………》

「変わらないね、お前も私も」

《Because it is doing mutual and simple construction》(お互い、単純な作りをしていますからね)

「単純である分強固である証明かな。地球はどうだった?」

《It is still wonderful. My hobby increased.》(やはりすばらしい。私の趣味が増えました)

「それは良かったね。また、いろいろと話を聞かせてくれるといいな」

《……… even though, it became very pretty , Little Alicia. On what if having melted even the contents to talk about, is it not a young lady at all? It thought whether or not it had a little of first gooseflesh.》(………それにしても、随分可愛らしくなりましたね、アリシア嬢。話す内容さえ何とかしてしまえば、まるっきりお嬢様ではありませんか。最初少し鳥肌が立つかと思いましたよ、不気味で)

「立てられるものなら立ててみてよ、石ころ」

 アリシアはそういうとにっこりと笑い、ぐいっと中指を空に向かって押っ立てた。

「………やっぱり、アリシアちゃん相手だと生き生きしてるね。レイジングハート……」

 自分の相棒が自分と話すときよりも楽しそうに他人と話すのを聞いて、なのはは些か面白くないと感じ、アリシアに若干湿った視線を投げた。

《It gets to want to drum shelling sometimes.》(時々砲撃を叩き込みたくなりますがね)

「それはこっちの台詞だよ、レイジングハート。私もいったい何度お前をたたき壊したいと思ったことか」

《What let's put determination? fate for many years》(何なら決着をつけましょうか? 長年の因縁を)

「へえ、そんなスクラップ寸前で良く吠えたねレイジングハート。くず鉄になる覚悟はOK?」

《Let's show you the world after the death again , Nameless Ghost.》(もう一度あの世を見せてあげましょう、名もなき亡霊)

「そこまで!! 二人とも不謹慎だよ」

 そんな二人のどこか殺伐しつつもどこか微笑ましいやりとりに、なのははレイジングハートの球体をペシッと叩いて諫めた。

「そうだね、悪かった」

《Sorry Master》

 二人が矛先を納めたのを見て、なのははほっと一息ついてアリシアとレイジングハートを交互に見て、

「だけど、アリシアちゃんとレイジングハートは本当に仲が良いね。私だとこんなふうには出来ないな」

「精進あるのみだね。じゃあ、私は指揮に戻るよ。高町なのは、君は少し休んでいて。いざというときは働いて貰わないといけないからね」

 そう言ってアリシアはなのは後の会話を終え、再び元の表情に戻り空を睨み付けた。
 時折目を閉じて、間断なく変化する状況から導き出せる最適の戦術をフェイトに送るアリシアの姿は、まるでオーケストラの指揮者のようだとなのはは思い、ユーノが残していった結界の中で自分もそれを見守ることとした。
 そういえば、となのはは思った。ここに来るまで緊張と恐怖で震えていた身体が今は落ち着いている。これはひょっとして、アリシアとレイジングハートは自分を落ち着けるためにわざと緊張感のない会話をしてくれたのかなと思うが、それは気のせいだと判断し、今も戦闘を重ねる親友達の無事を祈った。