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SSやオフ再録

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行事:ハロウィン(ルック・湊)



なんだか城の中が浮かれた感じがする。嫌な予感しかしない・・・。
ルックがそう思い、しばらく立っていた石板前からそっと自室へもどろうとすると、誰かにそでをひっぱられた。

「・・・離してくれない?変態。」
「ちょ、いきなりで変態はないよね?つか、俺の姿、ほぼ見てねぇじゃん!だのに変態!?もしくはすぐ俺と分かったのね、嬉しい!とか喜ぶべき!?」
「気持ち悪いから、もう黙って。」

ルックは呆れたようにそでをひっぱってきたシーナを見た。
なんだか体中に包帯巻いてる。

「・・・服はちゃんと着てるんだろうね・・・?」
「お?下は履いてるぜ?」
「マジキモぃ。触るな、むしろ近寄らないで。」
「ちょ、何その言葉責め!?あー残念、俺Mじゃねぇから萌えな・・・」
「切り裂・・・」
「すいませんでした!!」

ニヤニヤと楽しそうに笑っているシーナを、ルックは睨みつける。

「つかお前はなんだ、魔法使い?それとも吸血鬼のコスプレ?やる気満々じゃねぇの、ルッくん。」

中の服はそのままだが、かろうじてシルクハットとマントをはおっているルック。

「コスプレ、言うな。僕が好き好んで仮装するとでも?」
「前の戦いん時もやってたじゃん!」
「あの時は詩遠に無理やりさせられたんだ!着ないと僕とあのテレポート娘が出来ているって噂を流しまくるとか言ってっ!!」
「うは、詩遠らしい。」
「冗談じゃない。」
「で、今回は?」
「・・・湊にお願いされた・・・。」

ブフ、とシーナがフき出し、ルックにギロリ、と睨まれる。

「わーい、ルックかっこいい!」

いきなり上から声が聞こえたかと思うと、湊が階段を使わずに飛び降りてきた。そしてルックに抱きつく。

「ちょ、離して・・・。」
「俺への言い方とまったく違うなオイ。って、うぉ、湊・・・おま・・・なんつーカッコ・・・」

シーナが唖然と言っているくらいの格好!?ルックは後ろの覆いかぶさった湊をひきはがす。

「・・・。」
「え?変?どっか変?ナナミが作ってくれたんだよね。だから着なきゃ悪いじゃん。」

だからといって何その猫ガールな格好はっ!!
ルックは心中で激しく突っ込んだ。
猫耳と猫手足はいいとして(いや、心の平安的には良くないが)、服。肝心なところしかもはや隠れてない勢いっ。セパレートになった毛皮に似せた衣装は、せめてもの救いが下が短パンのようになっていることか。

「湊・・・。君・・・恥ずかしくない、の・・・?」
「え?なんで?けっこう可愛いじゃん。僕猫好きだし。」

そういう問題じゃねぇ、と2人は心で突っ込む。

「しかしよく出来てんなー。ナナミちゃんて、料理はアレだけど、裁縫はうまいんだな。」
「うん、家庭科全般が苦手な訳じゃないんだよ。・・・料理だけね、なんつーか、うん・・・。でもマジすごいだろ?手触りもいいんだよ!」
「へぇ、マジか。ちょっと・・・」
「触るな。」

湊の衣装に触れようとしたシーナの腕を、ルックがつかんだ。なんというか、目が光っている。
え?どこにそんな力が、非力な魔法使いさん!?とシーナは思った。マジ手が痛いです。

「ナナミの腕が良い事は分かった。とりあえず風邪ひくかもだから。これ、羽織ってろ。」

ルックがそう言って自分が羽織っていたマントをはがし、湊にかけた。

「えーじゃあルックが・・・。」
「僕はこの帽子だけで十分。君は軍主なんだからね?普段からそういう管理も気をつける事。ほら、前も閉めて。」
「うん、そうだね、分かった!ありがとう、ルック!あ、トリック オア トリート!」

ニッコリと頬を染めて笑顔で言う湊が愛らしい。そして単純。ルックは飴を湊に差し出した。
その後でシーナにも言ってチョコレートをもらった湊は、ちょっと回ってくる、といって走っていった。

「・・・操縦がうまい事で。あいつ、普段から呆れるくらい薄着だろうが。」
「うるさい、シーナ。」

とりあえず、後で部屋に来たら自分も湊にハロウィンの呪文を、お菓子がなくなるまで言ってやろうか、などと思いつつ、ルックは自室へ転移した。
ハッピーハロウィン
作品名:SSやオフ再録 作家名:かなみ