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ヒオウ・ヒナタ~~溺愛魔王と俺様~~

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耽溺



ヒナタはぶうぶう言いながら歩いていた。

「・・・お祭り・・・行けなかった・・・。」
「残念だったよね。また次の機会があるよ?」
「次って・・・いつ・・・?」
「・・・うーん・・・。それはちょっと僕にもねー・・・。」
「う・・・。」
「あ、ほら今日はここに泊まろう、ね?ヒナタも疲れたでしょ?もう今日はゆっくりしよう?」

次の街もそこそこの大きさだった。
だがやはり、というか、祭りはやっていない。

部屋に入るとヒナタはごろんっとベッドに横になった。

「ねえ、機嫌直して?仕方ないじゃない。」
「だって・・・お祭り行きたかったんだよー?っていうか・・・」

ヒナタはうつ伏せで枕を抱きながら言った。

「っあんなっ・・・あんなにすっごくっ痛いなんてっ。」

あの日も次の日もヒナタは動けなかった。
外の賑やかなざわめきを聞きながらヒナタはずっとベッドでうつ伏せになっていた。
ヒオウは行けない代わりに、と外に出てすぐに戻ってきた。手にはおいしそうな食べ物を持って。

ヒナタは泣く泣くそれで我慢するしかなかった。

「あー・・・こればっかりはねー・・・。ヒナタ初めてだし小柄だし・・・。慣れていくと思うけどね・・・。」
「慣れって・・・やっぱこれからも・・・されるの・・・?」
「うーん、ヒナタには悪いとは思うんだけど・・・僕が我慢出来ない。思えば出会ってからだと20年、恋人になってからでも5年も手を出さなかった訳だし。・・・ごめんね?」
「わーん。」
「・・・そんなに辛い?全然気持ちくなかった?」

ヒオウがベッドのふちに座って聞いた。

「・・・う・・・ううん・・・。その・・・途中までは気持ちよかった・・・。その・・・最後は・・・僕は・・・覚えてなくて・・・」

ヒナタは耳まで赤くしてボソッと言った。
ヒオウはニコリとした。

「良かった。今度は最初の時よりもだいぶ楽だと思うよ?少し慣れてるだろうし、きちんと必要なものも用意してるしね?この間は予定してなかったからそれがなくてヒナタのを使ったし。」

ヒナタはヒオウが何を言っているのかよく分からなくて怪訝な顔をした。
その顔に気付いたヒオウがふっと笑って言った。

「なるべく痛くないようにね、滑りやすくするんだよ。でもこの間はそう出来るものがなかったから・・・ヒナタが出しちゃったものをね、使った。」

僕が・・・出した・・・?
・・・・・。

次の瞬間何の事か分かったヒナタは首まで赤くなった。

「ヒナタ、可愛い。」
「ばっバカっ。な、何言ってんだよっ。」

ヒナタはガバッと起き上がった。

「何てことっんっ・・・」

起き上がって抗議しようとしたところを抱きしめられキスされる。
抵抗しようにもすぐに力が入らなくなった。

そのまま押し倒された。ヒオウの唇がヒナタの口から耳元へと移る。

「ヒナタが・・・欲しい・・・。」

そっと囁かれヒナタはビクンと体を震わせる。
そのまま耳たぶを甘噛みされる。
反対側の耳ではヒオウの手が触れるか触れないかというような具合にスーッと耳から首筋、鎖骨と撫でられ、ヒナタはますますビクビクっと反応する。

だめ?と呟きながらもヒオウはヒナタの首、鎖骨とキスしていき、服の前を少しずつ開けていく。
そして鎖骨から胸へとキスを続ける。

「や・・・、あ・・・だめとか・・・聞きながらっ・・・」
「・・・ん・・・?何・・・?」

ヒオウはそれはそれは素敵にニッコリした・・・。



「・・・ねえヒオウ。」

ヒナタはシャワーを浴びせられながら言った。

「ん?」
「・・・何か・・・恥ずかしいんだけど・・・。」
「仕方ないじゃない。ヒナタがまた動けないっていうから。ちゃんと僕が洗ってあげるから。」

あの後ヒナタが腰砕けになり、ヒオウがヒナタをかかえて浴室までつれてきた。
そしてそのままヒナタを座らせシャワーをかけるヒオウ。

「・・・ヒオウのH・・・。」
「そーかなー?普通だよ?」
「・・・・・。なあ、ヒオウってさ、やっぱいっぱい経験あんだろ・・・?ずるいよ。」
「何がずるいんだか。・・・何で沢山あると思うの?」
「・・・だってヒオウ昔からもててたし・・・、何でもよく知ってるし・・・。」

ヒナタは少しふくれながら呟く。
ヒオウはシャワーを止めてせっけんを泡立て始める。

「うーん、そうでもないと思うけどねー?僕だって初めて経験したのは解放戦争が終わって旅を始めてからだよ?あの前はまだ14歳だったし戦争中はそんな事する暇なかったしね。ふふ、よくグレミオまいて、彼が知ったら青くなるだろう事やったなあ。興味ってより、知らないって事が面白くなかったからね。ああ、でも女性としかしたことなかったよ?僕も男はヒナタが初めて。」
「そうなの?」
「うん。まあヒナタは環境や僕のせいでずっと色々知らないままだったけど、僕は普通に何も経験してなかった頃から知識としてはある程度知ってたし、あの放蕩していた時期に男同士のしかたとかくらいは知識としては耳に入ってたから。」

ヒオウはしゃべりながら泡をヒナタにつけて、手で洗い出した。

「っちょ、何すんだよっ。もういいよ・・・自分でするからー。」
「遠慮しない。ヒナタはじっとしておいで。」
「ざけんなっ遠慮とかじゃ・・・って、どこ触って・・・あーもーっヒオウっ。」

ヒナタは真っ赤になって身をよじって抗議する。
ヒオウはニッコリとしつつそんな抗議なんて何一つ聞こえないとばかりにご機嫌な様子でヒナタの体を泡で洗い続けていた。