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きくちしげか
きくちしげか
novelistID. 8592
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鬼の腕

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エピローグ


僕は夢を見ている
またあの夢だ
でも盲目の鬼は見当たらなかった
代わりに腕を持った人が立っていた
「人斬りの腕、欲しくねぇかい?」
彼が持っているのは、似蔵の腕だろう
『いらないよ』
「そんな事言わずにさぁ」
マントを着て顔は見えないが、声は聞き覚えがある
『必要なくなったんだ』
「強くなりますぜ」
『いらないよ』
「そんなんじゃあ、誰も護れないぜぃ」
マントからのぞく唇が赤い三日月の形になっていた
『そんな事ないよ』
「この腕なら、あいつも斬れるかもなあ」
『僕はちゃんと護れた』
彼はマントの下から自分の腕を出した
真っ白な腕が闇の中に浮かんでいる
「俺の腕は人斬りの腕だよ」
『・・・』
「だから強い」
『でも君は僕に負けた』
「もう一度やったら今度は俺が勝ちますぜ」
僕のいつの間にか刀を手にしていた
「てめえの首なんかあっという間に切り離してやる」
『人斬りに次はないよ』

刀を振る
マントの男の首を切り落とした
返り血を浴びても、気にならない
落ちた首はしかし、盲目の鬼の首だった
腕を持ったマントの男はいつの間にか消えていた
二太刀目はその先にある闇を斬る
太刀筋は闇の中に美しい軌道を残し、切れ目から光が射した
刀を鞘に納めると、僕は光の方へと歩き始めた

僕はもう迷いたくない
大事な人を護るために
鬼の首を斬ることを
(終)
作品名:鬼の腕 作家名:きくちしげか