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きくちしげか
きくちしげか
novelistID. 8592
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鬼の腕

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新八は再び蒲団にいた。
気絶はしていないが、意識はもうろうとしている。体は熱く、息も苦しそうにあえいでいた。銀時と神楽が横で心配そうに新八の顔を覗き込んでいる。
「今、医者呼んだからな」
銀時が静かに言った。新八が大きく深呼吸をする。
「神楽、ちゃん」
「何アルか?」
今にも泣きそうな顔で新八を見ていた。
(そんな顔しないで)
「ねえ、熱が下がったら・・グラタン・・作ってあげるよ」
はあはあ言いながら新八が精一杯の笑顔をつくった。
「グラタンなんで乳臭い食べ物いらないアル。ご飯とふりかけで十分アル」
「はははっ。でもこの前すごくおいしそうに食べてたでしょ」
神楽は鼻を垂らして目に涙をたくさん溜めていた。
「新八が作るなら、食べてやる。だから早く良くなるアル」
「うん」
沖田に攻められていた時に想像した顔が、涙を溜め鼻を垂らして今ここにいる。
「・・・ありがとう・・・神楽ちゃん」
新八に睡魔が襲ってきた。
「ちょっと寝るね」
「ああ、寝ろ。元気になったらいくらでも家事させてやる」
銀時はその手を新八の額に当てた。
「だから、今はゆっくり休め」
冷たい手が熱を奪い気持ちいいと思った。しばらくすると新八は深い眠りに落ちていった。
作品名:鬼の腕 作家名:きくちしげか