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リオ・ナユ

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攻撃…ティント編



ふと目を覚ますと朝だった。
いない!?
リオが横にいないのに気付くと、ナユはガバッと起き上がった。

「何慌ててるわけ?」

見ればリオがゆっくりと湯気をあげている何か飲み物をテーブルで飲んでいるところであった。ナユはほっとして頭を下げた。

「あ、いえ、その・・・おはようございます。えっと、昨日はありがとうございました。」
「・・・素直な貴様は気持ち悪いんだよね。」
「なっ」
「おはよぉーーーーー!!さぁ、今日も一日がんばろーーーー。」

その時ナナミが元気に部屋に入ってきた。

「て、あれ?リオさんがいる?って、まさか。」
「ちょっ、ナナミ!?変な想像はしないでよね!!」

赤くなっているナナミにナユは慌ててつっこんだ。リオはそんな2人を無視して飲み物を優雅に飲んでいた。

その後、行方不明だった、グスタフの娘リリィとギジム、コウユウの仲間のロウエンがネクロードにつかまっているのが分かった。
グスタフの使用人のマルロが逃げ遅れて、だがなんとか逃げてきた時に見たらしい。
ティントにしのびこむ事となり、クロムの村の東にある洞窟から坑道が繋がってるとのことでそこから行く事に決まった。
さすがに大人数では忍び込む事は出来ないので、いつものように少人数のパーティを組む事となる。
シエラとカーン、それに星辰剣を持っているビクトールは欠かせない。
それにナナミも行くといってきかず、リオまでもがついて行くと言い張る始末で、結局他に選ぶ自由はなかった。

ナユは洞窟までくると、不意にサウスウエストの近くの風の洞窟を思い出し、そこからルックを思い出した。
何かこの猫耳、しっぽの原因である紋章の事が分かれば教えてくれると言っていたジーン。分かり次第早く知りたいが為によく一緒に連れていたルックを置いてきていたのに・・・。

「ルックは何をやってるんでしょうか・・・。ジーンさんは何も言ってこないのか・・・?」

ボソっとつぶやくように言った一言だが、多分そばにいたリオは聞こえていたであろう。
だがそれに対して、リオは何も言わなかった。
別に答えも求めていたわけではないが、ナユは少し首を傾げた。

「ほら、ナユ、何してんの?行くよー?」

ナナミの声でハッとして、ナユは歩き出した。
洞窟内では多少のゾンビがいたけれども、どうやらばれずにしのびこめそうだと思ったが。
広いところに出てきたとき、ふとシエラがビクトールに言った。

「ビクトール、先に行け。」
「何だよ?何か出るのか??」

そう言いつつも、ビクトールは素直に先に進んだ。
次の瞬間、地面から炎のようなものが噴き出したかと思うと、あまりにもデカい、ストーンゴーレムが現れた。

「って、っちっ。」

ビクトールが慌てて下がり、剣をかまえた。
他の皆も、武器やら札やら呪文やらを準備しだす。
シエラ戦ではたいくつそうにサボっていたリオもすでに何やら懐から札を取り出していた。

・・・なぶり倒すのが好きなリオが札!?
その様子を見たナユがまた首を傾げる。

「貴様、よそ見とは余裕だね?足手まといなら貴様も一緒にヤるよ?」

そう言いながらもリオは札をすでに起動させ、ゴーレムに放った。
放ったのは天雷の札のようで、それはそうとうゴーレムに効果があった。

雷が苦手なのか・・・?石なのに・・・?
ナユはそう思いつつ、なぜリオはそれを知ってるんだ、と軽く内心つっこんでいた。
ゆっくりめの行動をとっていたシエラもどうやらもともと雷鳴の紋章を手に宿していた為(昨日の落ちた雷は紋章の技だったんだなとナユは思った)、それをゴーレムに放っていた。
結局、見た目は派手なストーンゴーレムは、思ってた以上にあっけなく崩れていった。

「ふん、嫌な気配がしたわ。ネクロードめ、くだらぬ罠を。」

倒した後でシレッとしていうシエラに、ビクトールは体を震わせながら、「て・・・てめぇ。」と言っている。

「なんじゃ、おんしも無事であったろう。」
「くっ・・・・・・くそぉ・・・」
「さあ、行きましょう。シエラ様に逆らっても無駄ですよ。」

カーンがにっこりと言った。
しばらく歩くと見覚えのある場所になった。
ティントの坑道である。
そしてようやく外に出られた。ナナミがホッとしたように言う。

「ふぅ、やっと地上に出られたね。」
「ここまで来たのはいいが、ネクロードの奴はどこにいやがるんだ。」

ビクトールがキョロっとしながら言った。カーンがそれに対して、奴のことだから一番いい場所を使っているでしょう、と言った。
皆で上を目指す。
はたしてネクロードは上の教会にいた。実際に姿を見た訳ではないが、シエラやカーンが、この中に間違いなくいる、と断言する。
その教会の中にそっと入り覗くと、リリィが家に帰してと泣いていた。

「この野郎!!!なにが、70番目の花嫁だぁ!!!こんな小さな子をつかまえてぇ!!!」

見知らぬ女性が騒いていた。多分、あれがロウエンであろう。

「わたしには無限の命がありますからね。彼女が大きくなるまでわたしのもとで、レディとしてのしつけをしてあげますよ。」
「気持ち悪い事言ってんじゃねぇ!!!あとなぁ!!!なんで俺まで捕まえやがるんだ!!!俺も花嫁にしようってのかよ!!!」
「冗談じゃありません。あなたのような下品な女は趣味じゃありませんから。あなたは、そうですねぇ・・・」
「なんだって!!!俺のどこが下品なんだよ!!!」

思案しているネクロードに対して、ロウエンが飛びあがって怒りだした。

「そういうところが下品だと言ってるのですよ。まったく・・・」

そこに、ナユ、リオ、ビクトール、ナナミが乗り込んだ。

「おい。じゃまするぜ!!」

ビクトールが声をかける。

「ビクトール!!どうやってここに?まさかあのストーンゴーレムを倒したというのですか?」

ネクロードが驚いて近づいてきた。

「うるせぇ。ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ!!!こっちはなぁ、てめぇをたおせるかと思うと嬉しくて、震えがきやがるぜ!!」
「ふ・・・わたしを倒せると思っているのですか、そのなまくら剣で。」

するとビクトールの手にあった星辰剣が口を開いた。

「吸血鬼!!わしをたばかった罪、重いぞ!!魂のすみずみまで後悔させてやるわ!!!」
「そうだそうだ、言ってやれ、星辰剣!!」

ビクトールが調子にのって言った。

「ビクトール、それにリオ、そしてそこの小うるさいガキ、みんなまとめてあの世に送ってあげます。もちろん、体は有効に使わせてもらいますよ。そしてナユ、あなたはあちらのわたしの花嫁候補と一緒に連れていってあげましょう。」
「ちょっと!!小うるさいガキって、あたしの事ーっ!?」
「・・・気易く名前を呼ばないて欲しいんだよね。」

憤慨してるナナミの横で、リオはニコリ、とだが心底冷めたように言った。
ナユは気持ち悪そうに顔をゆがめている。
作品名:リオ・ナユ 作家名:かなみ