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二次創作オールジャンルの短い話のまとめ。(永遠に執筆中)

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リボーン最終更新


『なんて馬鹿な子なんだ!』(白綱)



「ねぇ、綱吉君。本当の事を話したらラクになれるよ?」
 死んだ魚のように落ち窪みんだ虚ろな瞳に、身ぐるみが剥がれ、鎖で繋がれ、何も纏っていない姿を微笑ましく眺めながらクスクスと音をたて笑う。回りには君と僕しかいない。本当に面白い面白い面白くて堪らない。段々と口許が狂いそうで怖い。
「だ……れが、喋るもの、、、か」
 虚ろな瞳を無理矢理剣呑にぎらつかせるキミが愚かしくて堪らない。キミは他人に頭を下げて謝ると云う行為を知らないのだろうか。なんと愚かな、でもその愚かさが逆に初々しいかった。
「どうして? 僕は信用出来ない?」
「そうやってみん、な騙したんだろう?」
「それは心外だよ」
 僕は神の前ででも無実を祈ってあげるよ、と嘯く。
 残念ながら僕は神様なんて抽象的な物は信じる気がない。
 この世界は神様が握っているのではない、薄汚いチカラで回っているだけだろうに、という考えを彼に見つけられるまいと隠し通そうと、曖昧に笑ってみせる。
「俺をこんな格好にしてまで、そんな事を言うの?」
 何も纏ってない四肢と両手両足首全てに絡み付いたツタのような拘束具、無骨なシルエットに繋がれたキミが、いいとこのボスだと言う雰囲気が全くと言っても良いほどにない。奴隷や家畜にも劣らないと言っても過言ではない様子である。
「可愛いよ、至極惨めでね」
 蔑むように見てやれば彼は、反論するかのように睨みつけてきた。やせ細り、ボロボロの身体からは執念を見せ付けられた気がする。
「煩━━あっ」
 思い切り鎖を引っ張ると苦しそうに喘いでから黙る。痛かったのか目元には水が滲む。僕はその水の正体を思い出せずにいた。
「どうしたの? もしかして痛かった?」
 至極痛かったであろう。痛くて痛くて感覚やらを飛ばしたくなる程。金属に微量の電気を流しているし通電したかもしれない。何故そこまでのロストテクノロジーかと言えば彼を簡単に殺さない為なのかもしれない。自分でもここまでアナクロな手段を取る事について、いかがなものかと思うが。
「おまえ……何が楽しい?」
 落ちくぼんだ眼窩から覗く瞳は理解出来ないと、語ってるようだ。
「楽しいよ。何もかもも、誰も彼も」
「……俺を、どうするつもりだ」
「さぁ、どうだろうね」
 憔悴しきった表情でも、彼はまだ壊れていなかった。その証拠というように、受け答えに関して一度も呆けた返事をした事がないのだ。
「もういいけど。俺をここまでにして言わせたい言葉はなんなの? 通説として流れている秘宝はないし、俺に隠し子だっていない。なにをしたいんだ、おまえは」
「さぁ、なんだろうね。教えて欲しいの?」
「当たり前、だろ」
 彼の発言に思わず拍手を送りたくなった。