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朝焼けと2人と3匹

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【 朝焼けと2人と3匹 】







空がじきに朝焼けに染まり始める時分、まだ陽も上がり切っていない早朝のこと。

「今朝はひどく冷える・・・・・・防寒に抜かりはないな、リヒテン? 」

「はい兄さま、大丈夫です」


お互いの吐く息も白く染まる中、スイスは自宅の戸締りを今一度確認してリヒテンシュタインを見やる。
辺りはまだ薄暗くその表情は伺えないものの、すぐさま返ってきた返事と共に柔らかい微笑みが向けられたのを感じた。後方には、自分たちとは家族同然の3匹を連れている。

「アイガー、メンヒ、ユングフラウ。行きましょうか」

リヒテンシュタインの呼びかけに応えるように、それぞれがメェェと嬉しそうに声を上げた。
その様子から彼らの体調は問題なしと判断したスイスは頷き、妹の手を引いて歩き出す。軽やかな蹄の音が後に続いた。


作品名:朝焼けと2人と3匹 作家名:イヒ