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THW小説4.8 番外編 ~イロノナイセカイ~

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東京ヒーローズウォー「埼玉攻特隊」の二次創作小説です。

注意書き:これは,独立したお話です。
     シリーズとは切り離してください。(時系列は約4.8,設定は生きてます)
     個人の完全なる妄想です。
     実在する人物,出来事とは本当に全く関係ありません。
     もう別物です。捏造です。すいません。
     苦情は受け付けたくありません。各個人の自己責任にて,お願いします。

以下の設定項目が耐えられない方は,読まない方が賢明です。

①実在の人物らしき人たちがなにやらやらかしている。
②腐がない。
③グロい表現が苦手だ。
④ダークシリアスが苦手だ。
⑤かなりイタイ表現が苦手だ。
⑥血が苦手だ。
⑦中の人の病み(闇)に付き合うつもりはない。

タグ登録:埼玉攻特隊 東京ヒーローズウォー 厨二病再発 グロ要素 闇 病んでる ザビVS碧風 二重人格 無自覚 ダークシリアス ナース


大丈夫な方のみどうぞ。


********************************************
血の海の中に,俺は立っていた。

周りには,幾千もの折り重なる,死体
腐敗臭

その中で,佇んでいたのは,

―――――俺,一人――――――
********************************************



〜イロノナイセカイ〜


ピチョン,ピチョン・・・
音がする。
俺の愛刀から,滴り落ちる,血。
刀の先には,血だまりができている。
ピチョン,ピチョン,ピチョン・・・
その音以外,何もない。
無。
静寂。
「・・・・。」
俺は,ただ,その中をつっ立っている。
目には,何も映らない。

ピチャ・・・
何処に行くアテもなく,足を踏み出してみる。
ピチャ・・・ピチャ・・・
辺り一面は,血の海だ。
そして,おびただしい数の,死体。
ピチャ・・・ピチャ・・・ピチャ・・・
視界には,死体の山。
だが,俺はそれを見ても,何も感じない。

唐突に,背後から風圧を感じた。
俺に向かって,振り下ろされる剣。
ザシュッ
俺は,振り向きもせず,刀をふるう。
肉を斬る感触が,手に伝わった。
ドシャッ
背後で,何かが崩れる音がする。
「ひ・・・この・・・化け物・・・!!」
「・・・・。」
俺は,ゆっくりと振り向く。
「た・・・助けて・・・!!悪かった,命だけは・・・!!」
目の前のモノが,切断された右腕を庇いながら,そんなことを言う。
ピチョン・・・
俺は,ゆっくりとモノに近づく。
「ひ・・・!!」
グシャリ
俺は,躊躇なく刀を振り下ろした。

・・・笑みを浮かべて。

「・・・・。」
動かなくなったモノを満足した気分で見,そしてまた歩き出す。
ピチャリ・・・ピチャリ・・・ピチャリ・・・
どこまで行っても,死体の山だ。
だが,俺の目には,何も映らない。
血の,赤さえも。

―――――世界は,モノトーンにしか,映らない。


********************************************

「あお・・・か・・・?」
不意に,名前を呼ばれた。
ゆっくりと,そちらへ首を振り向ける。
「何・・・やってんだ・・・お前・・・?」
「・・・・。」
そこには,驚愕の表情を浮かべた,ザビが居た。

――何故,そんなに,驚いている?
――俺には,わからない。

「千葉と神奈川の部隊が,両方壊滅したって聞いて来てみれば・・・埼玉はここに参戦してねぇし・・・なんで・・・お前がいんの・・・?」
何か,ザビがぶつぶつと言っている。

――何を,言っている?

「お前が・・・これ・・・やったのか・・・?」

・・・五月蝿い。

ピチョン・・・ピチョン・・・ピチョン・・・
俺は,ザビに向かって歩き出した。
コイツを,黙らせなければ。
「・・・お前,やりすぎだ。大体,なんでこんな力・・・」
まだ,その口は何かを紡ぐ。
俺は,ザビに向かって,刀を閃かせた。
「うわおぅ!!」
・・・間一髪でかわされる。
「あっぶねーな!!飼い主も忘れたのかよっ!?」
――俺は,お前に飼われたつもりはない。
「・・・てか・・・お前・・・誰だ・・・?本当に,碧風か!?」
――俺は,俺に決まっているだろう。

シュンッ
二太刀目をザビに浴びせようとする。
「うげっ,マジかよっ!」
ガキンッ!!!
それを,懐に隠し持っていたらしいダガーで受け止められた。
ギリギリッと力が均衡する。
「お前・・・碧風じゃねーな。そっくりさんか?・・・碧風の眼は金色だったはずだ・・・お前・・・眼ぇ紅いしな・・・」
俺の眼を覗き込みながら,ザビはそんな事を言う。

――何,言ってる。
――俺は,俺だ。

「ぐっ!!!」
ギィン・・・!!
俺をダガーで押して,ザビが離れる。
「そっちが,その気ならっ・・・!!」
バリバリバリバリッ・・・!!
ザビは,ありったけの雷を集め,俺の方へと一直線に走らせる。
ザッ!!!
俺は,砂の壁を目の前に立て,それを簡単に防いだ。
「なっ・・!?砂!?お前・・・風じゃ・・!?」
ザビが目を見開く。
その隙に,ザビの足場を砂で固めた。
「げっ!!動けねっ!!」
焦るザビにお構いなしに,刀に砂の力を纏わせる。
「お前・・・ほんと誰だよ・・・!!」
ピチョン・・・ピチョン・・・
ザビに近づき,刀を振り上げた,その瞬間。

********************************************

「碧風さんっ!!ダメです!!」
ドンッ
いきなり,背中に衝撃を感じた。
「ジンちゃんっ!!」
俺の背後を見て,叫ぶザビ。
「碧風さんっ・・・!ダメです,呑まれては!戻ってきてください・・・!」
ジンさんは,俺に背後から抱きつきながら,必死に叫ぶ。
「ジンちゃん,何コイツ,ほんと碧風なの??」
「そうですよ,ザビ隊長!!わからないんですか!?」
「え・・・だって・・・ちがくね?」
俺は,やっぱり意味がわからなかった。
―――こいつら,何を言ってる?
力をこめ直して,また刀を振り下げようとした時。
「・・・碧風さんっ,ゴメンっ!!」
俺は,ジンさんの能力によって,何もない闇の中へと放り込まれた・・・・。