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ヤンデレ

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静雄side




今日はいつもより早く仕事が終わった静雄は、帝人を捜して池袋雑踏の中を歩いていた。
来良の制服を見る度に視線が必ずその姿をおってしまう。そんな自分の行動に苦笑しながら、静雄は帝人が通るであろうルートにさしかかった。

(・・・確か、いつもこの時間だよな・・・っとあれは)

当たりをキョロキョロと見渡していると、視線の先に帝人の後ろ姿が視界に映った。静雄は笑みを浮かべると、早歩きになりながらその姿を追う。
帝人も誰かを捜しているかのように頭を動かしていた。

(友達とはぐれたのか・・・?)

もしそうだったのなら、その友達を捜す手助けをしてやりたい。静雄もトムと同様コネはある方だ。
だからきっと帝人の捜している友人を見つけ出せるに違いないと静雄は思った。
そして手を伸ばせば届くという距離に近づき、帝人に声を掛けようとする。

「みかっ」

次の瞬間、静雄の手が止まり瞳が驚愕に見開かれる。その後すぐに感じたのは強烈な怒りと憎しみ。
帝人の声が、言葉が静雄の耳朶を刺激した。一番聞きたいと思うその声で、一番聞きたくない言葉を吐く。

「臨也さんっ!」

朗らかに笑う帝人の笑顔に、その隣で優しく微笑む害虫に、息が詰まるほどの憤怒を感じた。
腹の底がかっと熱くなり、喉元にせり上がってくるような吐き気を催す。
あまりにも気持ちが悪くなり静雄は口元に手を当ててみたが、どうしても吐き気が収まらずそのまま身体がかしずいた。

(・・・どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてっ!)

静雄は殺意の籠もった目で、臨也と帝人を見つめる。そして、ふと思った。

(あぁ・・・そうか、帝人はあのノミ蟲に騙されているんだ・・・。そうか、そうだったのか・・・!
 だったら俺が、俺が帝人を助けないと・・・・)

そう思った途端、先程まで感じていた吐き気がすぅっと消えていた。
静雄はそのまま、臨也と帝人の後を着いていく。
2人が楽しそうに笑う度に吐き気がこみ上げ来たが、帝人を救うためと念じながら静雄は耐える。
そして、目の前で二人が別れた時を見計らい、静雄は帝人の腕を掴んだ。

作品名:ヤンデレ 作家名:霜月(しー)