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353訓~360訓ネタバレ銀桂小話集

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だれとUNOする?



西の空には大きな太陽。
夕暮れ時である。
土手に、桂はひとり座っていた。その手にはUNOのカードが一枚ある。
カードを眺めながら、エリザベスのことを思い出していた。
「エリザベス、やっぱり皆、おまえのことを忘れてしまっていたよ……だが、それでいい……、こんな思いをするのは俺ひとりだけで……」
その背後に立つ者があらわれた。
「おまえ、だれとUNOしてんだ」
銀時である。
「……ひっひとりUNOだ。鍛錬をおこたっては腕がにぶるからな」
ふりむかず、桂は答えた。
エリザベスのことは、この地球上では自分以外は忘れているはず。
だから、エリザベスのことには触れないようにした。
「ケッ、暇な野郎だな」
銀時がドカッと桂の隣に腰をおろした。
「オラ、貸せよ」
そう言って、銀時はUNOのカードを手に取った。
「なにをしている」
「配り直してんだよ」
「そ……、そうじゃない」
桂は配られたカードを見て、言う。
「ひとり、多いぞ……」
「何寝ぼけてやがる」
銀時は空のほうに眼をやった。
「宙に、もひとりいんだろ」

「もうそろそろ出ていっていいアルか?」
遠くから銀時と桂を見ている神楽が問いかける。
「う〜ん、むしろ、ますます出て行きにくくなった気が……」
新八は困った表情をして答えた。
視線の先にいる銀時と桂はUNOをしている。
たいへん仲むつまじい様子である。
「ラブラブじゃの〜」
坂本は笑う。
「あそこには入って行かれん。わしはおりょうちゃんの店にでも行く……」
ふと、その顔が隣にいる陸奥のほうに向けられた。
「のは、やめて、陸奥、わしらの船でUNOするぜよ。このあいだ、おまんに負けた借りを返しちゃる」
「どの口がそんなデカいこと、ほざくんじゃ。一度もわしに勝ったことないくせに」
「そりゃ、わしがいつも手加減してるからじゃ。今日は本気で行くぜよ」
「そりゃ、楽しみじゃの」
坂本と陸奥は肩を並べて去っていった。
「……日も暮れてきたし、僕たちも帰らない?」
「そうアルな」
「帰って、お登勢さんの店でUNOしようよ」
「うん、みんなでUNO大会するアル!」
神楽はピョンと楽しげに踵を返した。
その隣を新八は行く。
背後では、銀時と桂が仲良くUNOを続けていた。