二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

青エク集

INDEX|2ページ/8ページ|

次のページ前のページ
 

きっかけ(志摩燐)



「おい勝呂!弁当!」
「・・・」
「・・・った暗ェな、何も喰ってねーからだぞ!喰っとけ!ほれゴリラ!」

そう言って燐は勝呂に飲み物をのせた弁当を差し出した。

「やかまし!!」

勝呂はその弁当を奪うと去っていった。

「う・・・お・・・怒らせちった」

燐はしょぼんとそうつぶやいたがパッと向き直り、顔を赤らめながら子猫丸に向かって言った。

「こ・・・子猫丸、一緒にくわない?」
「!・・・僕は家族に挨拶してきたいから・・・」

子猫丸は俯いてそうつぶやくように言うと同じく去っていく。

「そっか・・・それは大事だな」

がっかりしたようにそう言うと、燐は「ちぇっ」とそこいらへんの岩にドカッと座った。
・・・出遅れた、と思いつつも燐に向かって言いかける。

「えーと・・・じゃ、俺も・・・」
「なんだよ。お前も俺の弁当が喰えねーってのか?」

前頭部にほんのりと青い炎をともしながら、まるで背後に黒いものでも背負っているかのように燐が言った。

「!?」

どうしちゃったの!?と思いつつも、少し離れたところでしかたなく座って弁当を食べる。

「い、いやー・・・お弁当おいしいなぁ。ネッ」
「・・・それはいいんだけどさぁ・・・お前・・・遠くね?」

明らかに離れたところに座っているが、ごまかすように「えーそう?」と答える。

「お前も俺にビビッてんだろ!!」
「ハハハハ・・・いやいやいやビビってへんよー!ま・・・しいて言えばメンド臭いのが嫌いなんや」

前から気になってたこの子。
気付けば目で追ってた。
困ったもんだと思っていた矢先、この子が悪魔の、それもサタンの子だと判明した。

めんどくさい、ややこしい事はごめんだ。
坊や子猫丸さんはあきらかにこの子を避けている。じゃあ、俺も悪いがそれに乗って・・・

「ダッセ!まーお前ってカッコ悪りィもんな」
「ん!?・・・今・・・俺カッコ悪いゆうた?・・・聞き捨てならんな!?俺はカッコええことで有名な男やで」
「はぁお前が?」

あっははは、と燐が笑う。
というか笑いすぎだろ。
突っ込むと燐的なカッコイイランキングを教えてくれた。

・・・ジジイが誰か分からないが、2番目に坊が。
なんだかチリッとする。

「ってクロより下!?」
「いや・・・選外だ」

ちょ、それは酷くないか?
だがおもわずフいてしまった。

気付けば普通に喋っている。
なるべく関わらないようにしようと思っていたのに・・・。

ムリだ。

この子に関わらないなんて、とうてい無理だ。

「関わらんようにする方がメンド臭いわコレ。やめややめ!!」
「・・・そーだぞ、あきらめろ。どーにもなんねーんだから」

あきらかに目がトロンとしている燐。

・・・これはやはりどうやら間違えてシュラ先生用の飲み物を持って来たんじゃないか?
燐はこれ、どうみたって酔ってるよね?

「坊にしろ子猫さんにしろ・・・皆マジメすぎるんや」
「お前はカッコ悪すぎるんや」
「なんで関西弁!?まったく・・・奥村くんにはかなわんなぁ」

立ちあがり、燐に近づく。
燐はぼんやりした顔で近付いた俺を見上げてきた。

「そのうち、一番カッコええって言わせたるわ。」
「ん?」

酔ってるときにごめん。
だけど酔ってなかったらなかなか君には出来無さそうだし。
それにあの若先生もおらへん今しかないと思った。

「・・・なん、で・・・?」
「しっ・・・黙って・・・」

一度口づけた後、もう一度今度はゆっくりと燐の唇を味わった。


翌日、やはりこの子は何も覚えてなかった。

まあ、いい。

これから。

これからマジでいくで?

「奥村くん、これからプール行かへん!?」
作品名:青エク集 作家名:かなみ