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ルック・湊(ルク主)

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会話



湊は本拠地に戻る際に、詩遠にも一緒に来てもらった。
とりあえずまずは軍師であるシュウに紹介しに行くと、シュウはあっけにとられたような表情を見せた後“歓迎します”と詩遠に手を差し出した。詩遠もニッコリとその手を握っていたが、そんななんでもないシーンなのにお互いの周りが黒く見えるなんて、きっと目が曇っているんだな、と、思いたい・・・とその場にいた湊以外の者は思っていた。
その後で城内を案内してくるから、と詩遠を嬉しそうに連れだした湊を、そしてそんな湊に微笑みかけた後でこちらを見てニッコリとした詩遠を、ルックはいつも以上に仏頂面で見送っていた。

「うはは、やきもちぃー?ルッくんたら。可愛いねぇ。」
「今すぐ遠い空の彼方に飛ばしてあげようか?シーナ。」

その後、いつもの石板前に立っていると、いきなりそう声をかけられ、やってきたシーナを見る事もなく、ルックは、ロッドをかまえる。

「それは遠慮させて。つかほんと久しぶりだよな、またつるもうぜぇ?お前も飲めるみたいだし、3人で飲みとかしようぜぇ?」
「僕は今も過去もつるんだ覚えはないし、今後もないよ。」
「またまた、ほんとルックてツンパねぇな。あーそいや前んときはお前がまだ子供だったしさあ、誘わんかったけど、ナンパとかも、3人でしねぇ?絶対成功間違いねぇって。」

ニッコリと言ってきたシーナをジロリ、と睨む。

「僕がするとでも?興味ない。勝手にすれば。」
「ちぇ、ほんと一途だねぇ。湊はあれ、ある意味かたっぱしから誘ってるようなもんだってのにね、まぁ無自覚だけど。」

シーナのセリフに、グ、とルックはつまらせる。
そう、無自覚だからこそ、始末が悪い。
湊自身には何一つ心配はしていない。そんなフラフラ出来る子ではないし。
だが。
まったくもって自覚のないまま、人を虜にするアレをどうにか出来ればいいのに。
それとあの湊のぼんやり具合も。湊自身がそんなつもりなくとも、うまい事、事を運べば気がつけば同衾していた、なんて事にもなりかねないような気、しか、しない。特にあのバカにかかれば・・・。

「あれ、何、ここが集合場所?」

そのバカの声がした。

「お、詩遠。」
「・・・集合場所じゃないから・・・。集まらないで。」

また声がしたほうを見ることもなく、ルックは絞り出すように言った。

「えー?そんなつれない。」
「・・・湊は?」
「ああ、色々案内してもらってたんだけどね?運悪く軍師に捕まった。そろそろ仕事があるので、とか言って湊を持ってかれた。残念。とりあえずお風呂にでも行って裸の付き合いもしようと思ってたのに。」
「あんたが言うと、全然違う意味に聞こえるから。そしてそんな事を僕が許す、とでも?」
「ルッくん怖いから、気をつけろよ。」
「そんなルックも可愛いけどね?」

ルックはシーナと詩遠を無言でギロリと睨む。
ほんと始末に負えないのが増えた。最悪。そう思っていると、詩遠がまた口を開く。

「あの軍師って、けっこう湊の事、好きだよね?ていうか、いたるところで湊の事好きなヤツらがいたけど。よくまあ、難関突破して捕まえたもんだね、ルック。褒めてあげるよ。」
「そんなのいらない。」
「ふふ。ああ、その湊もさ、結構鋭い子だと思ってたんだけどね?俺の事もそっこうで見抜いてたし。」
「え?そうなの?俺、てっきり湊、お前の、中身は真黒なのに一見人当たり良さそうな風体にだまされたままなんかと思ってた。」

ああ、見抜かれてるの、気づいてたんだ。
ルックは、軽く胸倉をつかまれて苦笑いをしているシーナと、ニッコリしながらつかんでいる詩遠の2人をぼんやり見ながら思った。

「だのに、なんでかなぁ。俺にさ、“ここからトランは遠いから、今日はもう泊まっていって下さいね”とか言うから、“じゃあ君の部屋に泊まってもいいかな?”って言ったらすげぇ喜んでたよ?ある意味自信喪失だよね?まったくもってそういう対象から外されてる、みたいな。でもほんと、そっち系は鈍い子なの?まさか何も知らない子、じゃないよね?」

すぐに胸倉から手をはずして、詩遠はルックに聞いてきた。

「あー・・・。いや、あからさまな態度だったらあの子も分かるんだけど、ね・・・。」
「多分、アレじゃね?昔からそういう視線やら態度に慣れすぎてて、かえって気づかねぇ、とか?でも一般知識程度はあるから、分かりやすい態度に出られれると、反応出来る、みたいな?」

シーナが適当に言ったにもかかわらず、そんな気、しかしない。

「でもさあ、普通は男同士なんだから、そんな風に考えないものなのかもよ?俺だってヤローと一緒の部屋になっていちいち掘る、掘られるの心配なんてしねぇ。」
「「そりゃあシーナなんか掘りたくとも掘られたくともないからだよ」」
「・・・何気に嫌な風に気があってねぇ?お前ら。」

男同士かもしれないが、湊の場合はもっと自覚して欲しい、とルックは切実に思った。

「それにしてもここは明るくて良いところだね。前の本拠地とは大違い。それに可愛い子も多いよね?何気にあそこにいる、ナイスバディなお姉さんも気になるけど。」
「だろ?だろ?ちなみにあの人はオウラン姉さんな!マジ、ここって良いところだぜ?じゃあとりあえずそんな話なども込みで、飲みに行くぜ!」
「それもいいね。」

切実にお断りだ。
ずるずる引きずられながらルックは目を瞑ってそう思っていた。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ