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ルック・湊(ルク主)

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湊が驚いたように声をあげた。
ああ、やっぱり気づいていないとは・・・ルックがため息をついた。が。

「おだやかな、笑顔の素敵、な・・・?え・・・と、ルック?詩遠さん、が?」
「・・・へ?」
「あはは、やだなぁ、ルックってば。詩遠さんがおだやかな訳、ないじゃない。面白い事言うね。」
「・・・え?」
「あんなに素敵な笑顔で黒い雰囲気を出せる人ってなかなかいないよー。ほんとかっこいいよね!あの『英雄秘蔵部屋』を見つけた時の詩遠さんの表情ったら!!絶対あの部屋、後で無事ではすまないよー。すごいよね、僕だったら、その場で速攻ギャーギャー言って、つぶしにかかると思うもん!!」
「え?」
「あ、でもね、ルック。優しいってのは当たってるよ、ね?あの人、実際本当に優しいと思うもん。だから余計にかっこいいよね!憧れるよー。」

ルックは、改めて、湊の色んな意味でのすごさを思い知ったような気がした。
朝食の場にあらわれた湊を、皆は笑顔で迎えた。
“もういいのか?”“大丈夫か?”“元気になって良かったな”などと言われてニコニコと受け答えしている湊を詩遠とグレミオがほほえましげに見ていた。

「ほんと、皆に慕われているんでしょうねぇ。まぁ、分かるような気がしますが。」
「だね。ああ、グレミオ。俺はしばらくここに滞在する事にしたよ。」
「ほんとですか!坊ちゃん!良かったです、やはり生まれ故郷はいいですものね、テオ様も喜ばれるでしょう。」
「ああ。だがちょくちょく出かけるけど、ね。あの湊に協力する事にした。」
「そうですか。坊ちゃんが自らそんな事をおっしゃられるなんて、やっぱり湊くんもすごいリーダーなんでしょうねぇ。」

グレミオが軽く驚いたように言っていた。
それはそうであろう。3年前、赤月帝国をつぶした後、何も言わずに出奔し、そのままここには帰らずに放蕩していた詩遠が、協力するために留まる、というのである。

「だと思うよ。ふふ、ルック。色んな意味で、これからよろしくね?」

黙って立っていたルックに、詩遠は笑顔を向けて言った。

「・・・それは湊や軍師に言えば。だいたい、何がよろしくか知らないけど、湊目当てってんなら、あの子は僕のだから。諦めて。」

ルックは冷たくそう言い放った。

「ふふ、お前がそんな事を言うようになるとはね。あのルックがねぇ。それだけでも行く価値はあるね。まあ、それにあの子もかなり興味深いしね、悪いけど。」

詩遠は更に笑顔を深めて楽しそうにそう言って、テーブルについた。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ