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ルック・湊(ルク主)

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接吻



とある小さな村に、湊達はいた。
仲間集めや情報集めなどに出向いており、気づけば薄暗くなってきた為、今日はこの小さな森にある村に泊まる事にしたのだった。
今日一緒に来ていたメンバーのうち、フッチとサスケはまだ子供年齢の為、渋々ではあるが部屋に戻っていた。

「・・・あのー、僕もフッチ達とそう変わらないんですが・・・。」

ほとんど客もいないような小さな宿の小さな酒場で、湊がおずおずと横に座っている英雄に言った。

「ん?まあ、いいじゃない。たまには一緒に、ね?・・・まあ出来るなら、2人っきりが良かったんだけど、ね?」

チラリ、と詩遠は湊を挟んだ形で座っているルックを見る。
ルックはフン、と鼻で大きく息をした後、無視をして果実酒を飲んだ。

「ていうかさ、どっちか俺の隣に座れよ。何3人並んで座ってんだよ、なんか俺、寂しいじゃん。」

シーナがそう突っ込むが、詩遠にはニッコリと無視される。ルックに至っては、見もせずに無視してきた。

「それにしても詩遠さんて、お酒、強いんですねー?なんか飲める人、多いなー。ルックだって飲めるもんね。」
「別に、普通だよ?このワインは口当たりもいいし、湊、ちょっと飲んでみる?」
「何子供にアルコール勧めてんだよ。」

ニッコリと言った詩遠に、ルックが冷たい視線を送った。

「あ、えと、やめておきます。」

詩遠がなんともいえない目でルックを見た後で、とてつもなく優しい目を湊に向ける。

「ルックの言う事なんて気にしなくていいよ?俺もけっこう早くから飲んでた。シーナだってそうだろ?」
「ああ、まーなー。ルックだって湊とそう変わらないじゃん。」
「うるさいな、2歳の差はデカいんだよ、10代には、ね。」

詩遠やシーナ、ルックのやりとりを見ていた湊がはっと我に返った。

「い、いえ、そういうんじゃなくて・・・僕、お酒、弱いみたいなんです。」

ん?と三人は湊を見ると、湊がすこし寂しそうに、話しだした。

「昔・・・ジョウイと2人でね、じいちゃんのお酒をね、こっそり飲んでみた事、あるんだ。で、僕はすぐに酔っぱらっちゃったみたいで・・・。ジョウイに多分、凄く迷惑かけたみたい。」
「そう・・・。」

ルックも詩遠も何気にジョウイが気に食わない事では一致していた。
こうして、離れて敵同士になっても、湊にこんな顔をさせる幼馴染に、苛立ちと嫉妬を覚える。

「でね、ジョウイには、『僕が傍にいない時には絶対お酒、飲んだらだめだよ』ってすごく後で言われちゃって。」

えへへ、と嗤いながらも、とてつもなく寂しそうな湊。
だが。

「・・・へえ。なんか、気になる、ね?」

詩遠がニッコリとして言ったが、眼光が鋭い。

「どうにも、怪しい、ね。」
「へ?」

何を言っているのかさっぱりな湊に対し、ルックとシーナは何かを察したようで、かたやため息を、かたやニヤニヤと笑っていた。

「・・・だからっていって、良からぬ事考えるのは止めなよ、ね。」
「ふふ。それは親友君に言って欲しいんだけど。」
「まぁ、それは、そうだけど、ね。」
「確かになー。」

詩遠はワインを口に含んだ。何かをまた察したシーナが、ルックに関係のない事を話しかける。

「・・・ん・・・んんっ」

妙な声が、とルックがシーナから視線を隣にやると、一瞬思考が停止した。

驚いたような表情の湊の頭に手をかけている詩遠。
飲み込めなかった液体が、細く線を描いて伝うように零れる。
唇から洩れる小さな声が、イタズラだけのつもりだった詩遠の熱を煽った。
胸元に添えられた手が、苦しいのかギュっと服をつかむ。
更に続けている詩遠の目には欲望の火が灯っていた。
湊の白い喉が、小さく、こくり、と動いた。
ようやく、名残惜しげに詩遠は唇を離す。

「っはぁ、はぁっ、マ、マクドぉル・・・さ、ん・・・?」
「ん?・・・美味しかった?」

舌足らずな様子で名字を呼ばれ、満足げに詩遠がニッコリと聞いた。
そして今まで自分の唇が触れていた、艶やかに光を放つ湊の唇に触れる。

「って、何してくれてんだ!このエセ英雄がっ!」

ルックが詩遠にどなった。シーナは相変わらず楽しげにニヤニヤしている。

「んー?なんていうか、実験?」
「ふざけんなっ」

そう言って、ルックは詩遠の腕にある湊を奪い返す。
油断も隙もあったもんじゃない。公衆の面前だというのに、このままだとキスどころか、襲われかねないのが恐ろしい。
湊がキスでなのか、お酒でなのか、上気した顔でルックを見上げた。

「ルックぅ・・・・」
「大丈夫か?ったくほんと油断も隙もない。湊もあいつには気をつけなよ!」
「人を悪者かなんかみたいに。」
「あきらかに悪者だよ、あんたは!」

苦しそうに呼吸をしている湊の背中をさすってやりながらルックが詩遠に言う。

「は・・・・ん・・・。」

ルックの腕の中にいる湊が身動ぎをしつつ、何とも言えない扇情的な声を出した。
思わず、ルックや詩遠だけでなく、シーナまでシン、として湊を見る。

「ックゥ・・・」
「どうし・・・」
「っあつ、ぃ・・・」

そう言って熱で潤んだ瞳で見上げてくる湊の悩ましげな様子に、三人は固まった。
だがすぐに、詩遠が口を開いた。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ