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ルック・湊(ルク主)

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意地



「ていうかさ。」
「なぁに、ルック。」
「君、いつの間にあいつの事、名前で呼ぶようになったのさ。」

今晩は3人でお泊まりーと嬉しそうにしている湊に、ルックは不機嫌そうに言った。

「え?ああ、詩遠さん?この間ね、言われたから。」
「何て。」
「いつまでも名字じゃ寂しいから、名前で呼んでね、って。」
「ふん。」

自分の知らないところで湊と詩遠が会話したり近づいているのが面白くない。
とりあえず、忌々しい敵は、3人でとっていた遅い昼食時に兵士らにつかまって、今は道場で訓練中だった。それなりに協力すると言った手前、詩遠は名残惜しそうに“また後でね”と湊にニッコリと嘘くさい笑みを浮かべながら去って行ったのだった。
その後湊のデザートに付き合い、ルックもお茶だけ飲んで、2人で歩いているところだった。

「憧れのマクドールさんを名前で呼べるなんて、逆にこっちからお願いしたいくらいだよね。」

そんなルックの面白くない気持ちなどお構いなしに、湊はニッコリとそう言った。
更にムっとしながら歩き続けていると、ルックの部屋の近くまで来ていた。湊がルックを見て聞いてくる。

「じゃあ、また後で、ね。ルックはこの後はどうするの?今日は魔法兵さん達の指導とかはないの?」
「・・・ないよ。君はどうするの?」
「僕?うーんと、特には。雨だしねー。倉庫の整理にでも行ってこようかなあ。」
「そう。なら、いいな。」

ルックはそう呟くと、おもむろに湊の腕をつかみ引き寄せ、その勢いのまま、自分の部屋の中に瞬間移動する。

「!?」
「・・・あのさ。君ね、もうちょっと色々、自覚、してくれないかな。」

いきなりつかまれたと思ったら次の瞬間にはどこかの部屋(すぐにルックの部屋だと分かったが)の中にいており、少し混乱している湊。
ルックはそんな湊をドアに押しつけて鼻がくっつきそうなほどに顔を近づけて言った。

「ルッ・・・ク?え、と・・・。自覚って・・・?」
「・・・はぁ。あのさ、とりあえず、君、僕のものなんだからね。モノ扱いするな、とかは聞かないからね?ほんと、もう。分かってるのか?」
「え?え?っんぅっ」

湊が答える間を与えず、ルックは湊の口を塞いだ。そのまま湊の咥内を舌で堪能した後、しばらくしてようやく口を離した。
さっき食べてたデザートの味がする。ルックはペロリと唇を舐めて言った。

「・・・甘い。」
「っはぁ、はぁ・・・ど、どうした、の?ルック?」

湊が真っ赤な、だけどもとろけるような表情で聞いてきた。
ルックは湊をまだドアに押しつけたまま、耳元で囁く。

「あまり、色んなヤツと仲良くしすぎないで欲しいって言ってんだけど?」
「っぁの、耳っ、近・・・」
「近いって?分かってるよ、わざとだから。ねえ、湊。君が天然なのは仕方ないんだけどね?もうちょっと周り、意識してくれない?」
「っは・・・い、意識?」
「そう。マクドールとも、近すぎるって、分かってる?あいつ、君を狙ってるって、分かってる?」
「っぅう・・・詩・・・遠さん・・・?でも・・・僕は・・・好きだ、もの、詩遠さんの、事・・・。」

ルックは軽くため息をついた。
分かってる。
この子はそういう意味で言ってるんじゃないって事。
だけど・・・ああ、ほんと、考えるだけ無駄なんだろうけど、だからといって気が収まるわけ、ない。

・・・せめて、鬱憤でも晴らそうか。
そして湊の耳で“好きなら何してもいいて思ってんの?”と、まるで息を吹きかけるかのように囁くと、甘噛みしたりペロリと舐めたりしてから、ニヤリとしてようやく湊を離した。

「っひゃぅっ。ちょ、ほ、ほんと、ルック、さ、さっきからっだ、ダメだってーっ!もう、どうしてくれるのさ!耳、弱いの知ってるくせにーっ。バカ!バカルック!もう、最悪!バカバカッ!」
「ふーん?何がどうするのさ?何が最悪なの?言ってごらんよ?」

ルックはニッコリと妖しげな笑みを浮かべて湊を見る。

「っわざとだろ!?絶対、わざとだよね!意地悪!ルックの意地悪!!」
「湊が悪いんだろ。色々無自覚な上、天然で、おバカで分かってなくて、言っても分からなくて、ほんと、どうしようもない。」
「そ、そんな事言われてもっ。ぼ、僕だってわざとバカなんじゃないよっ。」
「・・・分かってるだけにね、余計腹立たしいんだよ、おバカさん。おや?どうしたの?もじもじしちゃって?」
「っうーっ。」
「・・・どうして欲しいのか、言いなよ?おバカさん。言わないと、何もしてあげないよ?」

最高に妖しげな笑みをうかべたルックがそこにいた。


その後湊の部屋で詩遠はニッコリと、だがあきらかに怒っている風にルックを見ていた。

「お前、なんかしたでしょ?」
「なにがさ。」
「いつもの湊なら、ちょっと当たったくらいな程度であんな敏感な反応、しない。」

先ほど詩遠がたまたま湊の後ろについていた糸くずを払おうと普通に触れると、湊は“っきゃぅっ”と妙な声を出した後、真っ赤になって振り返ってきた。

「あ、ごめんね?糸くず。」
「あ、そ、そうですか、ありがとうございます。」

一応その後はまたいつものように可愛らしい笑顔でニッコリ笑いかけてきたが。

「いつもって。いつも僕の湊に触れてるみたいに言わないでよ。」
「僕、の、ね?どうしたのさ、自信満々で。やっぱり何かしてたね、このエロ風使い。」
「ちょ、何その呼び名。やめてくんない!?」
「あきらかにお手付きだって主張してくるルッくんが悪いんでしょー、やな感じー。いいよ、こうなったらすごいくっつきまくってやる。」
「さ、最低だね!大人げない。そんなの僕が許すとでも!?いいよ、そう言うなら、僕だって負けてないからね!」

明らかにお互い大人げない様子で言い合う2人。
その後ナナミにおやすみ、と言いに行っていた湊が戻ってきた後、やたら大きいベッドに、湊を挟んでやたら密集した3人がいた。

「・・・あの・・・ルック?詩遠さん?僕が思うに、ベッドってもうちょっと広かったと思うんだけど・・・あの、聞いてる?そして、なんか暑いんだけど・・・?」

やたらくっついてくる2人に戸惑いつつ、湊は困ったように繰り返していた。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ