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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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第8章 刹那



「ファビア?! ファビア!
 
 何してるの?! 早くこっちへ!

 シェルターに入るのよ!」

 彼女の家族らしき女性に、『ファビア』と呼ばれた、
――ロングヘアーの黒衣の少女は、
空の一点を静かに見つめ、こう言った。

「誰かが、…………

 誰かが、戦ってくれてる。

 私達を守るために、――」

 彼女の周囲では、ほとんどパニック状態の、
この惑星の住民達が、我先にと、
地下シェルター(避難施設)に、駆け込んでいた。

◇ ◇ ◇

「きゃあああああああああっ!!!」

 高町なのはは、苦戦していた。

 なのはの、バリアジャケットが
ひどく破損してボロボロの状態である。

 何箇所か、鋭い刃物で切り裂かれた様な傷痕があり、
ある箇所は焼け焦げた様な痕があった。

 ここは漆黒の宇宙空間。

『ファビア』と呼ばれた少女達がいる惑星の、すぐ近くだった。

 高町なのはに高速で接近する者がいる。

「たあああああああ!!」

 以前に『美樹さやか』が使用していたモノと同じ魔力剣を
手にした『鹿目まどか』が、なのはに襲い掛かってきた。

「くっ!」

なのはは、レイジングハートで、
『鹿目まどか』の魔力剣を防御する。
 
 レイジングハートと魔力剣が、激しい火花を散らした。

 しかし今度は、なのはを、『杏子の槍』を持った『別の鹿目まどか』が
中距離から、多節槍で攻撃してくる。

 高町なのはが、二枚の防御魔法シールドを展開し、
『二人の鹿目まどか』の攻撃を何とか、防御していると、
彼女の、背後から、射撃魔法の閃光が迫る!

「ぐふっ!!?」

 背後からの、射撃魔法を背中にもろに受けた、なのはは、苦痛に顔を歪める。

 なのはが、振り向くと、『巴マミのマスケット銃』を
構えた、『もう一人の鹿目まどか』が彼女を狙っていた。

 『さやかの剣』を持つ『鹿目まどか』が、なのはに
その剣先を向ける。だが、格闘戦が可能な距離ではない。

 しかし、いやな予感がしたなのはは、咄嗟に
防御シールドを再展開する。

「スパーダ!」

 まどかが、そう叫ぶと、
――剣の根元で、小さい爆発が起き、
剣の刃が、ミサイルのように飛び出した。

 なのはを目掛けて、飛んできた剣の刃は
なのはの防御シールドに当たって跳ね返される。

 攻撃を防がれた『鹿目まどか』は
剣の柄の中からマガジンを引き出し、
新しいマガジンを剣に装填して
再度トリガーを引いた。

 すると、液体金属状のモノが
剣の柄から出てきて
硬い長剣の形に凝固する。

「マジカル・ストリーム・アタック!!」
 3人のまどか達が、一斉に、
なのはに向かって、突進してくる!――

「どこの三連星じゃっ!」
 『さやかの剣』を持つまどかの頭を、
真上から、八神はやてが、
シュベルトクロイツで、思いっきり
ぶっ叩いた。

「痛――――ッ! こーのー!」
 頭のてっぺんに、でかいタンコブが出来た
『鹿目まどか』が、はやてを睨む。

 ――そして、超高速で、はやての背後に
回り込んだ、『鹿目まどか』は、
組んだ両手を頭上に持ち上げ、
『ダブル・ハンマー・パンチ』の形で、
はやての頭部を強打した。

「ぷぎゃっ?!」
 不意をつかれたはやては、長距離を
すっ飛ばされ、小惑星に、めり込んだ。

「はやてちゃん!」
 なのはが、思わず叫ぶ。

「ふふん! 邪魔をするから! うっ?!」
 鼻を鳴らす、まどかの肩を、踏みつけて、
そこを足場に、跳躍する者がいた。

 ――ザンバーを手にしたフェイトである。

「わ、私を、踏み台にしたぁ?!」

 フェイトは、その勢いのまま、
マスケット銃を持つ『鹿目まどか』に
斬りかかり、頭から、一刀両断にした。

「こ、こいつら――――ッ!!」
 怒り狂う、リーダー格の『鹿目まどか』。

 ――そして剣を持つリーダー格まどかが、
その剣を上方に高く掲げると、

 ――それを合図に、なのは達の近くにいる
数百人の『鹿目まどか』が魔法の詠唱を開始する。

「来たれ! さくらカード!!」

 まどか達が詠唱すると、
彼女達の頭上からカードの様な物体が出現した。

「契約のもと、まどかが命じる……ミラー!!!」

 詠唱が完了すると、まどか達の足元には
星型を中心とした、未知の魔法陣が形成される。

「ま、またか?!」
 気がついたはやてが、叫ぶ。 

 なのは達の目前で、数百人の『鹿目まどか』が
なのはと全く同じ姿に変身した。

 フェイトや八神はやての姿に変身した、まどか達もいる。

 3人は、コピー・なのはの大群に取り囲まれた。

 そして、数百人の『高町なのは』が、3人に対して
手にしたレイジングハートを向ける。

「「「ディバイーン・バスタ――――ッッ!!!! 」」」

 数百人の『高町なのは』が同時に魔力砲撃を放った。

 3人を襲う巨大な桜色の砲弾。

「ぐうううう――――――ッ!!!」

 この集中砲火を、なのは達3人は、
全員の魔力バリアーを一つに合わせ、なんとか耐えた。

 しかし次の砲撃にも耐えられるのか、なのはにも自信はなかった。

 外見が全く同じであっても、所詮は模造品、コピーなのはである。
 本物の高町なのはと同じ能力を持っている訳ではない。

 だが、『塵も積もれば山となる』の諺(ことわざ)が有るように、
数百人のコピーなのはの、集中砲火は、オリジナルを超える破壊力を
持っていた。

 自分に向けて、レイジングハートを向ける
自分と全く同じ姿をした『数百人の鹿目まどか軍団』。

 それは、高町なのはにとって、
まさに『悪夢』としか言いようがない。

「これ以上進まれたら、もう、後がない!」
 なのはの言う通りだった。――

 まどか軍団は、先の戦いで、
管理局部隊の作戦を学習したらしく、
――今回は、惑星上に設置された、
『住民避難用の転送装置』と、
『惑星用――強層型捕獲結界システム』を、
衛星軌道からの、超長距離砲撃で、先に、破壊したのである。

 ――そのため、なのは達は、やむを得ず、
惑星の住民たちを、地下シェルターに避難させて、――
まどか軍団を、なんとか宇宙空間で、
食い止めるしかなかった。

 だが――戦況は、悪くなる一方だった。

 出撃した魔導師部隊は、現在ほぼ7割が、
負傷し、管理局側の戦力は
底をつく寸前と言える。

「やめて、まどかちゃん!

 もうやめて!

 こんな事、まどかちゃんだって、いやだったはずだよ!」

 なのはが、必死に、リーダー格まどかに
呼びかけるが、返事は、無かった。

「あなたが、欲しかったのは、
 こんな、世界なの?

 こんな、チカラなの?!

 思い出して!
 あなたは、本当は、何が欲しかったのか、――!」

 フェイトも、大声で叫んだが、それも無視して、
――まどか軍団は、なのは達を包囲して、
攻撃を仕掛けようとする。

 その時、――――

「うおおおおおお――――――――!!!」

「何や?!」
 訝しい顔の、はやて。

「叫び声?!」
 フェイトには、そう聞こえた。